Aは、Bと通謀して、A所有の甲土地をBに売却したように仮装し、甲土地についてB名義の所有権移転登記をした。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
正解: 3|テーマ: 意思表示(虚偽表示と第三者)
肢1: 誤り。民法第94条第2項によって保護される第三者は、虚偽表示であることについて善意であれば足り、無過失であることまでは要求されません(判例)。登記を備えていることも要件ではありません。
肢2: 誤り。仮装譲受人の債権者であっても、仮装譲渡された不動産を差し押さえた者は、その財産について新たに独立の法律上の利害関係を有するに至った者として第94条第2項の「第三者」に当たります(判例)。Dは善意なので、Aは無効をDに対抗できません。
肢3: 正しい。善意の第三者Cが現れた時点で権利関係は確定的に有効となるため、Cからの転得者Eは、虚偽表示について悪意であっても甲土地の所有権を取得します(判例)。
肢4: 誤り。仮装譲受人から目的不動産について抵当権の設定を受けた者は、新たに独立の法律上の利害関係を有するに至った者として第94条第2項の「第三者」に当たります。Fは善意なので、Aは無効をFに対抗できません。
Aの子Bは、Aから何らの代理権も与えられていないにもかかわらず、Aの代理人と称して、A所有の甲土地をCに売却する契約を締結した。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
正解: 3|テーマ: 無権代理と相続
肢1: 正しい。無権代理の相手方の催告権は、相手方が悪意であっても行使することができます。本人が期間内に確答をしないときは追認を拒絶したものとみなされます(民法第114条)。
肢2: 正しい。無権代理の相手方の取消権は、本人が追認をしない間に限って行使でき、契約時に代理権のないことを知らなかった(善意の)相手方に認められます(民法第115条)。無過失までは要求されません。
肢3: 誤り。無権代理人が本人を単独相続した場合には、本人が自ら法律行為をしたのと同様の法律上の地位を生じ、追認を拒絶することは信義則上許されません(判例)。したがって売買は当然に有効となり、CはBに引渡しを求めることができます。
肢4: 正しい。本人が無権代理人を相続した場合、本人は自ら無権代理行為をしたわけではないので追認を拒絶することができますが、無権代理人の責任は相続によって承継するため、これを免れることはできません(判例)。
AがBに対して有する貸金債権の消滅時効に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
正解: 1|テーマ: 時効の完成猶予と更新
肢1: 正しい。書面による協議を行う旨の合意には時効の完成猶予の効力があり、再度の合意により猶予を繰り返すこともできますが、その効力は本来時効が完成すべき時から通じて5年を超えることができません(民法第151条第1項・第2項)。
肢2: 誤り。裁判上の請求が確定判決等による権利の確定なく終了した場合には、その終了の時から更に6か月を経過するまでの間は時効の完成が猶予されます(民法第147条第1項)。時効が更新されて新たに進行を始めるわけでもありません。
肢3: 誤り。催告によって時効の完成が猶予されている間にされた再度の催告には、時効の完成猶予の効力は認められません(民法第150条第2項)。催告を繰り返して猶予を延長することはできません。
肢4: 誤り。承認は時効の更新事由であり、承認があった時から新たに時効の進行が始まります(民法第152条第1項)。完成猶予にとどまるとする点が誤りです。
A所有の甲土地の物権変動と登記に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
正解: 4|テーマ: 物権変動と登記(取消し・解除・時効と第三者)
肢1: 誤り。取消し前に現れた第三者との関係は意思表示の規定によって処理され、詐欺による取消しは善意無過失の第三者に対抗することができません(民法第96条第3項)。Cが登記を備えているかどうかにかかわらず、Aは所有権を主張できません。
肢2: 誤り。解除後に現れた第三者と解除者とは対抗関係に立ち、先に登記を備えた方が優先します(民法第177条、判例)。Aは登記がなければCに所有権を主張できません。
肢3: 誤り。時効完成後に現れた第三者と時効取得者とは対抗関係に立ちます(判例)。登記を備えたCに対し、Bは時効による所有権の取得を主張できません。時効完成前の第三者であれば登記なくして対抗できます。
肢4: 正しい。背信的悪意者は民法第177条の「第三者」に当たらず、登記の欠缺を主張する正当な利益を有しません(判例)。したがってBは登記がなくてもCに所有権を主張できます。
Aは、Bに対する貸金債権を担保するため、B所有の甲建物に抵当権の設定を受け、その旨の登記をした。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
正解: 3|テーマ: 抵当権(効力の範囲・物上代位・明渡し猶予)
肢1: 誤り。抵当権の効力は、抵当権設定当時に存在した従物にも及びます(判例)。抵当権の効力は付加一体物のほか、従物や従たる権利にも及ぶのが原則です。
肢2: 誤り。抵当権に対抗できない建物賃借人であっても、競売手続の開始前から使用収益をしていた者は、買受人の買受けの時から6か月を経過するまで建物の引渡しを猶予されます(民法第395条第1項)。直ちに明け渡す必要はありません。
肢3: 正しい。抵当権者は目的物の賃料についても物上代位することができますが、その払渡し又は引渡しの前に差押えをしなければなりません(民法第372条、第304条第1項ただし書)。
肢4: 誤り。抵当権者が利息その他の定期金について優先弁済を受けられるのは、満期となった最後の2年分に限られます(民法第375条第1項)。3年分とする点が誤りです。
Aを売主、Bを買主とする甲建物の売買契約における債務不履行及び契約の解除に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
正解: 2|テーマ: 債務不履行と契約の解除
肢1: 誤り。解除は債務者に対する制裁ではなく契約の拘束力からの解放を認める制度であるため、債務者の帰責事由は解除の要件ではありません。もっとも、不履行が債権者の責めに帰すべき事由によるときは解除できません(民法第543条)。
肢2: 正しい。催告解除であっても、催告期間経過時の不履行が契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、解除をすることができません(民法第541条ただし書)。
肢3: 誤り。債務の全部の履行が不能であるときは、催告をしても意味がないため、債権者は催告をすることなく直ちに契約の全部を解除することができます(民法第542条第1項第1号)。
肢4: 誤り。金銭債務の不履行については、債務者は不可抗力をもって抗弁とすることができません(民法第419条第3項)。債権者は損害の証明も要しません。
個人が保証人となる保証債務及び連帯債務に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
正解: 1|テーマ: 保証・連帯債務(絶対効と相対効)
肢1: 正しい。保証契約は書面でしなければ効力を生じませんが(民法第446条第2項)、電磁的記録によってされたときは書面によってされたものとみなされます(同条第3項)。
肢2: 誤り。連帯保証人について生じた事由は、弁済等・相殺・更改・混同を除き主たる債務者に効力を及ぼしません(民法第458条、第441条)。請求は相対的効力しか生じないため、主たる債務の時効の完成は猶予されません。
肢3: 誤り。改正民法では免除は相対的効力事由とされ、他の連帯債務者の債務には影響しません(民法第441条)。他の連帯債務者は債権者に対し全額の弁済義務を負ったままです。
肢4: 誤り。個人根保証契約は、極度額を定めなければその効力を生じません(民法第465条の2第2項)。極度額は書面又は電磁的記録で定める必要があります。
宅地建物取引業者ではないAが、その所有する甲建物を、宅地建物取引業者ではないBに売却する契約を締結した。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
正解: 4|テーマ: 売買(手付・契約不適合責任)
肢1: 正しい。手付による解除が制限されるのは「相手方が契約の履行に着手した後」であり、自らが履行に着手していても相手方が未着手であれば解除できます(民法第557条第1項、判例)。
肢2: 正しい。売主が解約手付により解除するには、手付の倍額を現実に提供することが必要です(民法第557条第1項)。単に口頭で倍額を償還する旨を告げるだけでは解除の効力を生じません。
肢3: 正しい。種類又は品質に関する契約不適合については、買主が不適合を知った時から1年以内に通知しなければ、追完請求等の権利を失います(民法第566条)。売主が引渡し時に不適合を知り、又は重大な過失により知らなかったときは例外です。
肢4: 誤り。代金減額請求は、契約で約束した給付との対価的均衡を回復するための救済であり、売主の帰責事由を要しません(民法第563条)。帰責事由が要件となるのは損害賠償請求であり、逆に買主に帰責事由があるときは代金減額を請求できません。
Aを賃貸人、Bを賃借人として、建物の所有を目的としない甲土地の賃貸借契約が締結された。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
正解: 3|テーマ: 賃貸借(転貸・費用償還・敷金)
肢1: 誤り。賃借人の無断転貸があっても、それが賃貸人に対する背信的行為と認めるに足りない特段の事情があるときは、賃貸人は民法第612条第2項による解除をすることができません(判例)。
肢2: 誤り。適法な転貸がある場合でも、賃貸人が賃借人の債務不履行を理由に原賃貸借を解除するにあたり、転借人に対して賃料の支払の機会を与える必要はありません(判例)。転借人への催告は不要です。
肢3: 正しい。有益費は、賃貸借の終了の時に、その価格の増加が現存する場合に限り、賃貸人の選択に従って支出額又は増価額のいずれかが償還されます(民法第608条第2項、第196条第2項)。支出後直ちに全額の償還を請求できる必要費との対比が重要です。
肢4: 誤り。敷金の返還債務が生ずるのは賃貸借が終了し、かつ賃貸物の返還を受けた時であり、明渡しが先履行となります(民法第622条の2第1項第1号、判例)。明渡しと引換えに返還を請求することはできません。
Aが死亡した場合の相続人及び法定相続分に関する次の記述のうち、各記述に記載された者以外に相続人はいないものとして、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
正解: 2|テーマ: 相続(相続人の範囲と法定相続分)
肢1: 誤り。相続の放棄をした者は初めから相続人とならなかったものとみなされ、その子は代襲相続をしません(民法第939条、第887条第2項)。この場合の相続人はBとDであり、法定相続分は各2分の1です。
肢2: 正しい。配偶者と直系尊属が相続人となる場合、配偶者の相続分は3分の2、直系尊属の相続分は3分の1です(民法第900条第2号)。直系尊属が2人いるのでこれを均分し、各6分の1となります。
肢3: 誤り。配偶者と兄弟姉妹が相続人となる場合、配偶者の相続分は4分の3、兄弟姉妹の相続分は4分の1です(民法第900条第3号)。C及びDの相続分は各8分の1となります。
肢4: 誤り。被相続人の子が相続の開始以前に死亡した場合の代襲相続は、その者の子・孫へと再代襲します(民法第887条第3項)。再代襲が認められないのは兄弟姉妹が相続人となる場合(甥・姪まで)です。
Aが所有する甲土地について、Bが建物の所有を目的として賃借する場合に関する次の記述のうち、借地借家法の規定によれば、正しいものはどれか。
正解: 1|テーマ: 借地借家法(借地権)
肢1: 正しい。借地権の存続期間は30年とされ、契約でこれより長い期間を定めたときはその期間となります(借地借家法第3条)。30年より短い定めは借地権者に不利な特約として無効となり(同法第9条)、存続期間は30年となります。
肢2: 誤り。使用継続による法定更新が認められるのは、借地上に建物がある場合に限られます(借地借家法第5条第2項)。建物が存在しないときは、使用を継続しても更新されません。
肢3: 誤り。存続期間を30年以上50年未満とし、更新・存続期間の延長・建物買取請求権を排除する事業用定期借地権の設定契約は、公正証書によってしなければなりません(借地借家法第23条第1項・第3項)。一般定期借地権と異なり、公正証書に限定される点が頻出です。
肢4: 誤り。建物の滅失があった場合に掲示によって認められる対抗力は、建物の滅失があった日から2年間に限られます(借地借家法第10条第2項)。5年ではありません。
Aを賃貸人、Bを賃借人として、A所有の甲建物について建物賃貸借契約(定期建物賃貸借契約ではないものとする。)が締結された。この場合に関する次の記述のうち、借地借家法の規定によれば、正しいものはどれか。
正解: 2|テーマ: 借地借家法(借家)
肢1: 誤り。期間を1年未満とする建物の賃貸借は、期間の定めがない建物の賃貸借とみなされます(借地借家法第29条第1項)。1年に引き直されるのではなく、いつでも解約の申入れができる契約になる点が、30年に引き直される借地権との違いです。
肢2: 正しい。建物の賃貸借は、その登記がなくても、建物の引渡しがあったときは、その後その建物について物権を取得した者に対しても効力を生じます(借地借家法第31条)。借地権の対抗要件が借地上の登記された建物の所有であるのに対し、借家権は引渡しで足ります。
肢3: 誤り。賃貸人がする更新をしない旨の通知は、正当の事由があると認められる場合でなければすることができません(借地借家法第26条第1項、第28条)。通知の時期(満了の1年前から6か月前まで)を守っていても、正当の事由がなければ賃貸借は終了しません。
肢4: 誤り。造作買取請求権を定める借地借家法第33条は、同法第37条が掲げる強行規定に含まれていません。したがって、造作買取請求権をあらかじめ排除する特約も有効です。借地の建物買取請求権が強行規定である点との対比が問われます。
建物の区分所有等に関する法律(以下この問において「区分所有法」という。)に定める集会の決議に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。
正解: 2|テーマ: 区分所有法(2026年改正・集会の決議要件)
肢1: 正しい。2026年4月1日施行の改正により、共用部分の重大変更を含む特別決議は「出席した区分所有者及びその議決権」を母数とする多数決に改められました。区分所有者の定数を規約で過半数まで減じられる点は従前どおりです。
肢2: 誤り。出席者を母数とする多数決化の対象から建替え等の再生決議は除かれており、建替え決議は「区分所有者及び議決権の各5分の4以上」(全区分所有者が母数)によることが原則です。「出席した」とする点が誤りで、改正の最大のひっかけどころです。
肢3: 正しい。耐震性の不足、火災に対する安全性の不足、外壁等の剥落のおそれ、給排水管等の腐食、バリアフリー基準への不適合という客観的事由があるときは、建替え決議の要件が各5分の4以上から各4分の3以上に緩和されます。
肢4: 正しい。大規模滅失(建物の価格の2分の1超の滅失)の復旧決議は、改正により母数が出席者となるとともに、割合も各4分の3以上から各3分の2以上に引き下げられました(区分所有法第61条第5項)。他の特別決議の4分の3と数字が異なる点に注意が必要です。
所有権の登記名義人に係る登記の申請義務に関する次の記述のうち、不動産登記法の規定によれば、誤っているものはどれか。
正解: 2|テーマ: 不動産登記法(住所等変更登記・相続登記の申請義務)
肢1: 正しい。2026年4月1日施行の改正により、所有権の登記名義人の氏名・名称・住所の変更登記が義務化され、変更があった日から2年以内の申請が必要とされました(不動産登記法第76条の5)。施行日前に生じた変更については施行日から2年以内に申請すれば足ります。
肢2: 誤り。住所等の変更登記の申請を正当な理由なく怠った場合の過料は5万円以下です。10万円以下の過料は相続登記の申請義務を怠った場合の制裁であり、数字が入れ替わっています。
肢3: 正しい。相続登記の申請義務化により、相続による所有権の取得を知った日から3年以内の申請が義務付けられています(不動産登記法第76条の2第1項)。遺産分割が成立した場合は、その成立の日から3年以内の申請も必要です。
肢4: 正しい。期間内に相続人である旨の申出(相続人申告登記)をした者は、相続登記の申請義務を履行したものとみなされます(不動産登記法第76条の3第2項)。遺産分割による取得の場合には別途の申請義務が残ります。
地域地区及び地区計画に関する次の記述のうち、都市計画法の規定によれば、誤っているものはどれか。
正解: 2|テーマ: 都市計画法(地域地区・区域区分・地区計画)
肢1: 正しい。特別用途地区は用途地域の内側に定め、用途地域による用途制限を補完して特別の目的を実現するための地区です。用途地域が定められていない土地の区域(市街化調整区域を除く。)に定める特定用途制限地域と、「中の特別・外の特定」で対比して覚えます。
肢2: 誤り。建築物の高さの最高限度又は最低限度を定めるのは高度地区です。高度利用地区が定めるのは容積率の最高限度及び最低限度、建蔽率の最高限度、建築面積の最低限度並びに壁面の位置の制限であり、高さの限度は定めません。名称が似た両者の役割を入れ替えるのが定番のひっかけです。
肢3: 正しい。区域区分(線引き)は、必要があるときに都市計画区域について定めることができる任意の都市計画です。ただし首都圏整備法の既成市街地等を含む一定の都市計画区域については定めるものとされています。
肢4: 正しい。地区整備計画が定められた区域内での土地の区画形質の変更や建築物の建築等は、着手する日の30日前までに市町村長へ届け出ます。許可ではなく届出であること、届出先が都道府県知事ではなく市町村長であることの二重のひっかけに注意します。
開発行為の許可(都市計画法第29条第1項又は第2項の許可をいう。以下この問において「開発許可」という。)に関する次の記述のうち、都市計画法の規定によれば、正しいものはどれか。
正解: 2|テーマ: 都市計画法(開発許可の要否)
肢1: 誤り。農業を営む者の居住の用に供する建築物は農林漁業用建築物の例外に当たり、市街化区域以外の区域では規模を問わず開発許可は不要です。市街化調整区域に規模による例外がないことと混同させる肢ですが、許可不要の例外はいずれか一つに当たれば足ります。
肢2: 正しい。準都市計画区域内で開発許可が不要となるのは3,000平方メートル未満の開発行為であり、2,000平方メートルはこれに当たるため許可は不要です。非線引き都市計画区域も同じ3,000平方メートル未満です。
肢3: 誤り。図書館は、駅舎・公民館・変電所などと並ぶ公益上必要な建築物に当たり、規模や区域を問わず開発許可は不要です。学校・病院・社会福祉施設がこの例外に含まれない点とセットで押さえます。
肢4: 誤り。都市計画区域及び準都市計画区域外の区域で開発許可が必要となるのは、1ヘクタール(10,000平方メートル)以上の開発行為です。8,000平方メートルはこれに満たないため許可は不要です。
建築確認(指定確認検査機関の確認を含む。)に関する次の記述のうち、建築基準法の規定によれば、誤っているものはどれか。
正解: 1|テーマ: 建築基準法(建築確認・2025年改正後の新2号/新3号建築物)
肢1: 誤り。2025年4月施行の改正により、階数2以上又は延べ面積200平方メートル超の建築物(新2号建築物)は、木造・非木造を問わず全国どこでも建築確認が必要となりました。木造2階建てはこれに当たるため、都市計画区域外での新築でも確認を受けなければなりません。旧4号建築物の基準(木造は3階以上又は500平方メートル超等)で判断すると誤ります。
肢2: 正しい。平屋かつ延べ面積200平方メートル以下の建築物(新3号建築物)は、都市計画区域・準都市計画区域等の内で建築する場合に限り建築確認が必要です。準都市計画区域内での新築なので確認を受けなければなりません。区域外であれば不要となる点が新2号との違いです。
肢3: 正しい。大規模の修繕・大規模の模様替について建築確認が必要となるのは1号建築物と新2号建築物です。延べ面積900平方メートルの共同住宅は、その用途に供する部分の床面積が200平方メートルを超える特殊建築物であり、階数も3であるため確認が必要です。
肢4: 正しい。用途変更は、変更後がその用途に供する部分の床面積200平方メートル超の特殊建築物となる場合に建築確認が必要です。ホテルは特殊建築物であり250平方メートルは200平方メートル超なので確認を要します。ホテルから旅館のような類似の用途相互間の変更であれば不要です。
建築物の敷地、道路及び形態の制限に関する次の記述のうち、建築基準法の規定によれば、誤っているものはどれか。
正解: 4|テーマ: 建築基準法(道路・建蔽率・容積率・高さ制限)
肢1: 正しい。建蔽率の限度が10分の8とされている地域内で、かつ防火地域内にある耐火建築物等については建蔽率の制限が適用されず、10分の10まで建築できます。指定建蔽率が10分の8以外の地域では、防火地域内の耐火建築物等でも10分の1の加算にとどまる点と区別します。
肢2: 正しい。第一種・第二種低層住居専用地域と田園住居地域には10メートル又は12メートルの絶対高さ制限があるため、隣地斜線制限は適用されません。北側斜線制限がこれらに加えて中高層住居専用地域にも適用されることと混同しないようにします。
肢3: 正しい。いわゆる2項道路のセットバックの基準は道路の中心線から水平距離2メートル(反対側ががけ地、川等の場合は反対側の境界線から4メートル)であり、後退部分は敷地面積に算入されません。「道路の端から2メートル」とする肢は誤りです。
肢4: 誤り。前面道路の幅員が12メートル未満のときに乗じる法定乗数は、住居系の用途地域では10分の4、その他の地域では10分の6です。第一種住居地域は住居系なので10分の4を乗じ、その数値と都市計画で定められた指定容積率のうち小さい方が限度となります。
宅地造成及び特定盛土等規制法(盛土規制法)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
正解: 3|テーマ: 盛土規制法(許可の規模基準と届出)
肢1: 正しい。宅地造成等工事規制区域内では、切土により高さ2メートルを超える崖を生ずることとなる工事は許可が必要です。面積が500平方メートル以下であっても、崖の高さの基準に該当すれば許可を要します。規模基準は「盛土1メートル超・切土2メートル超・切盛2メートル超・崖なしの盛土2メートル超・面積500平方メートル超」のいずれかに当たれば許可、と押さえます。
肢2: 正しい。区域指定の際に既に行われている工事の工事主は、指定があった日から21日以内に届け出れば足り、改めて許可を受ける必要はありません。「21日以内に許可を受けなければならない」と許可にすり替える肢が定番です。
肢3: 誤り。高さ2メートルを超える擁壁等の除却の工事は、当該工事に着手する日の14日前までに届け出なければならない事前届出です。着手した日から14日以内の事後届出ではありません。届出3点セット(指定時の工事は21日以内、擁壁等の除却は14日前まで、公共施設用地の転用は14日以内)のうち、事前届出はこれだけである点が入替えの狙い目です。
肢4: 正しい。特定盛土等規制区域内の工事は、原則として着手する日の30日前までの届出で足ります。宅地造成等工事規制区域より一段緩い2段構えの規制であり、より大規模なもの(盛土で高さ2メートル超の崖を生ずる場合や面積3,000平方メートル超等)だけが許可制になります。
農地法第3条、第4条及び第5条の許可に関する次の記述のうち、農地法の規定によれば、正しいものはどれか。
正解: 3|テーマ: 農地法(3条・4条・5条の対比)
肢1: 誤り。転用目的で農地の権利を取得する場合の農地法第5条の許可権者は都道府県知事等(指定市町村の区域内ではその長)であり、面積が4ヘクタールを超えるときに農林水産大臣の許可を要するという取扱いは既に廃止されています。面積による許可権者の切り分けは存在しません。
肢2: 誤り。市街化区域内であらかじめ農業委員会に届け出れば許可が不要となる特例は、第4条の転用と第5条の転用目的の権利移動にのみ認められます。耕作目的の権利移動である第3条にはこの特例がなく、市街化区域内でも農業委員会の許可が必要です。
肢3: 正しい。遺産の分割、相続、包括遺贈等により農地の権利を取得する場合は第3条の許可が不要ですが、権利を取得した者は遅滞なくその旨を農業委員会に届け出なければなりません。「許可も届出も不要」とする肢は誤りです。
肢4: 誤り。第4条の転用規制の対象は農地のみであり、採草放牧地の転用は第4条の対象外です。ただし、採草放牧地を農地以外のものにするために権利移動を伴う場合には、第5条の許可が必要となります。
土地区画整理法に関する次の記述のうち、土地区画整理法の規定によれば、誤っているものはどれか。
正解: 4|テーマ: 土地区画整理法(仮換地と換地処分の効果)
肢1: 正しい。仮換地の指定によって移るのは使用収益権だけであり、所有権は従前の宅地に残ります。したがって「使うのは仮換地、売る・抵当権を設定するのは従前の宅地」という切り分けになります。仮換地そのものを処分することはできません。
肢2: 正しい。仮換地に建物等が残っていて直ちに使用できない場合、施行者は使用又は収益を開始することができる日を、仮換地の指定の効力発生の日と別に定めることができます。「効力発生の日から当然に使用できる」と言い切る肢は誤りです。
肢3: 正しい。保留地の施行者への帰属も、事業により新たに設置された公共施設の管理も、いずれも換地処分の公告があった日の翌日に生じる効果です。公共施設の管理は「原則として」市町村であり、他の法律に別段の定めがある場合は例外があります。
肢4: 誤り。換地が従前の宅地とみなされるのは、換地処分の公告があった日の翌日です。公告があった日の終了時に生じるのは、仮換地指定の効果の消滅や、換地計画において換地を定めなかった従前の宅地について存する権利の消滅など「消える」側の効果であり、「消えるのは当日・生じるのは翌日」と整理します。
国土利用計画法第23条の届出(以下この問において「事後届出」という。)に関する次の記述のうち、国土利用計画法の規定によれば、正しいものはどれか。
正解: 3|テーマ: 国土利用計画法(事後届出制)
肢1: 誤り。事後届出の対象は、対価を得て所有権・地上権・賃借権が移転され又は設定される土地売買等の契約です。時効取得は契約による取得ではなく対価もないため対象外であり、面積要件を満たしていても届出は不要です。相続・遺産分割・贈与・法人の合併も同じ理由で対象外です。
肢2: 誤り。事後届出の義務者は権利取得者であるCだけであり、売主Bには届出義務がありません。「売主及び買主は届け出なければならない」という形の肢は、売主が混ざった時点で誤りと判定できます。なお市街化調整区域は市街化区域以外の都市計画区域として5,000平方メートル以上が対象なので、面積要件自体は満たしています。
肢3: 正しい。都道府県知事は、届出に係る土地の利用目的が土地利用に関する計画に適合しないと認めるときは、届出があった日から起算して3週間以内に、利用目的について必要な変更をすべきことを勧告できます。市街化区域は2,000平方メートル以上が届出対象なので、3,000平方メートルの土地の購入は届出を要します。なお審査の対象は利用目的のみで、対価の額は勧告の対象になりません。
肢4: 誤り。事後届出の面積要件は権利取得者を基準とする一団の土地で判定します(買いの一団)。売主が異なっていても、一連の計画の下で取得した土地は合計6,000平方メートルとなり、市街化調整区域の基準である5,000平方メートル以上に該当するため、Eは事後届出を行わなければなりません。
不動産取得税に関する次の記述のうち、令和8年4月1日現在施行されている地方税法の規定によれば、正しいものはどれか。
正解: 2|テーマ: 不動産取得税(令和8年度税制改正)
肢1: 誤り。相続による不動産の取得は、形式的な所有権の移転等として不動産取得税が非課税とされます。包括遺贈及び相続人に対する遺贈も同様に非課税であり、価格が免税点以上であっても課税されません。
肢2: 正しい。令和8年度税制改正により、新築住宅に係る課税標準の特例の床面積要件の下限が50平方メートルから40平方メートルに引き下げられ、40平方メートル以上240平方メートル以下となりました。控除額が1,200万円(認定長期優良住宅は1,300万円)である点に変更はありません。
肢3: 誤り。令和8年度税制改正後の免税点は、土地16万円未満、建築による家屋の取得66万円未満、その他の家屋の取得34万円未満です。34万円未満は売買等による家屋の取得の基準であり、建築による取得は価格が66万円未満であれば課税されません。
肢4: 誤り。宅地評価土地を取得した場合の課税標準は、当該土地の価格の2分の1の額とされます。3分の1ではありません。なお、この特例の適用期限が令和9年3月31日までである点は正しい記述です。
宅地建物取引業者Aが作成した文書に係る印紙税に関する次の記述のうち、印紙税法の規定によれば、正しいものはどれか。
正解: 3|テーマ: 印紙税(課税文書・記載金額・過怠税)
肢1: 誤り。売買契約書は作成された各通がそれぞれ課税文書となるため、売主保存分・買主保存分の2通ともに印紙税が課されます。売主と買主が共同して作成した場合、両者は連帯して納税義務を負います。
肢2: 誤り。建物の賃貸借契約書は印紙税法別表第一の課税物件に掲げられておらず、不課税文書です。土地の賃借権の設定に関する契約書が課税文書とされるのと対比して押さえます。
肢3: 正しい。印紙を貼り付けたにもかかわらず消印をしなかった場合には、消印されなかった印紙の額面金額に相当する金額の過怠税が徴収されます。印紙の貼付自体を怠った場合の過怠税(本来納付すべき税額の3倍。調査を受ける前に自ら申し出たときは1.1倍)とは区別されます。
肢4: 誤り。契約金額を減額する変更契約書は、記載金額のない契約書として扱われ、印紙税額は一律200円です。減少額が記載金額となるのではありません。増加額のみが記載金額となるのは、契約金額を増額する変更契約書の場合です。
土地鑑定委員会が行う地価公示に関する次の記述のうち、地価公示法の規定によれば、正しいものはどれか。
正解: 2|テーマ: 地価公示法(正常な価格・指標と規準)
肢1: 誤り。正常な価格は、標準地に建物その他の定着物がある場合や地上権その他土地の使用収益を制限する権利が存する場合であっても、これらが存しないものとして(更地として)判定されます。建物が存する状態を前提とするのではありません。
肢2: 正しい。地価公示法は、都市及びその周辺の地域等において土地の取引を行う者に対し、類似の利用価値を有すると認められる標準地の公示価格を指標として取引を行うよう努めなければならないと定めています。義務ではなく努力義務である点も本記述のとおりです。
肢3: 誤り。公示区域は、都市計画区域その他の土地取引が相当程度見込まれるものとして国土交通省令で定める区域であり、都市計画区域外の区域も指定され得ます。したがって都市計画区域内に限られるとする点が誤りです。なお、国土利用計画法の規制区域は公示区域から除かれます。
肢4: 誤り。不動産鑑定士が公示区域内の土地について正常な価格を求める鑑定評価を行うときは、公示価格を規準としなければならず、これは努力義務ではなく法律上の義務です。「指標として」努めれば足りるのは、一般に土地の取引を行う者です。
この問において、A、B、D及びEは、いずれも信託会社又は信託業務を兼営する金融機関ではないものとする。宅地建物取引業の免許(以下この問において「免許」という。)の要否に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
正解: 4|テーマ: 宅建業の定義と免許の要否
肢1: 誤り。自ら貸主として建物を賃貸する行為は、宅地建物取引業法上の「取引」に当たりません。取引とされるのは、自ら行う売買・交換と、売買・交換・貸借の代理・媒介であり、自ら貸借はどれだけ反復継続しても免許を要しません。
肢2: 誤り。他人から借り受けた建物を転貸する行為も、Bが自ら貸主となる貸借であり「取引」に当たりません。したがって、不特定多数の者に反復継続して転貸しても免許は不要です。
肢3: 誤り。用途地域内の土地は原則としてすべて宅地に当たりますが、現に道路、公園、河川、広場及び水路の用に供されている土地は宅地から除かれます。現に公園の用に供されている土地の売買は宅地の取引に当たらず、免許を要しません。
肢4: 正しい。用途地域外の土地であっても、建物の敷地に供する目的で取引されるものは宅地に当たります。その宅地の売買を不特定多数の者に反復継続して行うことは宅地建物取引業に該当するため、Eは免許を受けなければなりません。
宅地建物取引業の免許に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはどれか。
正解: 2|テーマ: 免許制度(有効期間・免許換え・廃業等の届出)
肢1: 正しい。免許の有効期間は5年であり、更新を受けようとする者は、有効期間満了の日の90日前から30日前までの間に免許申請書を提出しなければなりません。
肢2: 誤り。個人である宅地建物取引業者が死亡した場合の届出は、その相続人が死亡の事実を知った日から30日以内に行います。起算点は死亡した日ではなく、相続人が死亡の事実を知った日です。なお、破産や解散などその他の廃業等の届出は、いずれもその日から30日以内とされています。
肢3: 正しい。2以上の都道府県の区域内に事務所を有することとなるため、Bは国土交通大臣の免許への免許換えを受けなければなりません。なお、支店は宅地建物取引業を営む場合に事務所に当たります。
肢4: 正しい。免許の有効期間が満了した場合であっても、当該免許が効力を有していた間に締結した契約に基づく取引を結了する目的の範囲内では、なお宅地建物取引業者とみなされます(みなし業者)。免許失効後に新たな取引を始めることはできません。
A、B、C及びDは、いずれも個人で宅地建物取引業を営もうとする者である。これらの者に係る宅地建物取引業の免許の基準に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
正解: 1|テーマ: 免許の欠格事由(拘禁刑への一本化)
肢1: 正しい。宅地建物取引業法の規定に違反して罰金の刑に処せられた者は、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しなければ免許を受けることができません。Aは3年しか経過していないため、免許を受けることができません。
肢2: 誤り。罰金の刑で免許の欠格事由となるのは、宅地建物取引業法違反、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律違反、傷害・暴行・脅迫等の暴力的な犯罪及び背任罪に限られます。道路交通法違反による罰金刑はこれに含まれないため、Bは直ちに免許を受けることができます。拘禁刑以上の刑であれば罪名を問わず5年間欠格となる点と対比して押さえます。
肢3: 誤り。執行猶予の期間が満了すると刑の言渡しが効力を失うため、その翌日から直ちに免許を受けることができ、5年の経過を待つ必要はありません。なお、令和7年6月1日施行の刑法改正により懲役及び禁錮は拘禁刑に一本化され、欠格事由も「拘禁刑以上の刑に処せられ」と読み替えられていますが、執行終了等から5年という欠格期間に変更はありません。
肢4: 誤り。破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者は欠格事由に該当しますが、復権を得れば直ちに免許を受けることができます。5年の経過は不要であり、免許取消しによる5年の欠格と混同しないよう注意します。
宅地建物取引士の登録及び宅地建物取引士証に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
正解: 3|テーマ: 宅建士の登録と宅建士証(法定講習)
肢1: 誤り。登録は、その者が合格した試験を行った都道府県知事に対して申請します。したがってAは甲県知事の登録を受けることになり、住所地である乙県の知事ではありません。
肢2: 誤り。宅地建物取引士資格試験の合格の効力は一生失われず、登録を受けるべき期限も定められていません。合格後何年経過してから登録を受けても差し支えありません。
肢3: 正しい。宅地建物取引士証の交付を受けようとする者は、登録をしている都道府県知事が指定する講習で交付の申請前6月以内に行われるもの(法定講習)を受講しなければなりません。ただし、試験に合格した日から1年以内に交付を受けようとする者は、知識が新しいため受講が免除されます。
肢4: 誤り。実務の経験が2年に満たない者であっても、国土交通大臣の登録を受けた登録実務講習を修了すれば、実務経験を有する者と同等以上の能力を有すると認められ、登録を受けることができます。
宅地建物取引士(以下この問において「宅建士」という。)に関する次のアからエまでの記述、すなわち、ア「甲県知事の登録を受けている宅建士Aが、乙県内に所在する宅地建物取引業者Bの事務所の業務に従事することとなったときは、Aは、甲県知事を経由して乙県知事に対し、登録の移転を申請しなければならない。」、イ「宅建士Cが死亡した場合、Cの相続人は、その死亡の事実を知った日から30日以内に、その旨を登録をしている都道府県知事に届け出なければならない。」、ウ「宅地建物取引業者は、その事務所ごとに、業務に従事する者5人に1人以上の割合となる数の専任の宅建士を置かなければならず、既存の事務所がこの規定に抵触するに至ったときは、2週間以内に必要な措置を執らなければならない。」、エ「登録の移転の申請とともに宅地建物取引士証の交付を受けたときは、当該宅地建物取引士証の有効期間は、その交付の日から5年となる。」のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。
正解: 2|テーマ: 宅建士(登録の移転・死亡等の届出・専任の設置)
肢1: 記述アは誤り。登録の移転は、登録を受けている都道府県以外の都道府県に所在する事務所の業務に従事し、又は従事しようとするときに「申請することができる」制度であり、任意です。申請しなければならないとする点が誤りで、現に登録をしている甲県知事を経由して申請する点は正しい記述です。
肢2: 記述イは正しい。宅建士が死亡した場合の死亡等の届出は、相続人が死亡の事実を知った日から30日以内に、登録をしている都道府県知事に対して行います。宅地建物取引業者の死亡の届出と同じく、起算点が「知った日」である点が要点です。
肢3: 記述ウは正しい。事務所には業務に従事する者5人に1人以上の割合で成年者である専任の宅建士を置かなければならず、この規定に抵触するに至ったときは、2週間以内に必要な措置を執らなければなりません。
肢4: 記述エは誤り。登録の移転の申請とともに交付を受けた宅地建物取引士証の有効期間は、従前の宅地建物取引士証の残存期間となります。交付の日から新たに5年となるのではありません。したがって正しいものは記述イとウの二つであり、正解は肢2です。
宅地建物取引業者Aが供託する営業保証金に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
正解: 3|テーマ: 営業保証金(供託・還付・保管替え)
肢1: 誤り。宅地建物取引業者は、営業保証金を供託し、その旨を免許権者に届け出た後でなければ、事業を開始することができません。事業を開始した後に供託・届出をするのではなく、順序が逆です。
肢2: 誤り。保管替えを請求できるのは、営業保証金の全部を金銭のみで供託している場合に限られます。金銭と有価証券とで供託しているときは、移転後の主たる事務所の最寄りの供託所に新たに供託しなければならず(二重供託)、金銭の部分だけ保管替えを請求することはできません。
肢3: 正しい。宅地建物取引業に関し取引をした者は、その取引により生じた債権について、営業保証金から弁済を受ける権利(還付請求権)を有します。取引の相手方が宅地建物取引業者である場合は、保護の必要性が乏しいため還付の対象から除かれます。
肢4: 誤り。還付により営業保証金が不足したときは、免許権者から通知を受けた日から2週間以内に不足額を供託しなければなりません。1月以内ではありません。さらに、供託した日から2週間以内に、その旨を免許権者に届け出る必要があります。
宅地建物取引業保証協会(以下この問において「保証協会」という。)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはどれか。
正解: 3|テーマ: 保証協会(分担金・供託・還付充当金)
肢1: 正しい。保証協会に加入しようとする宅地建物取引業者は、その加入しようとする日までに弁済業務保証金分担金を納付しなければなりません。営業保証金と異なり、分担金は金銭に限られ、有価証券をもって納付することはできません。
肢2: 正しい。社員となった後に新たに事務所を設置したときは、その日から2週間以内に当該事務所に係る分担金を納付しなければならず、これを怠ると社員の地位を失います。
肢3: 誤り。保証協会は、分担金の納付を受けた日から1週間以内に、その額に相当する額の弁済業務保証金を供託しなければなりません。2週間以内ではありません。供託先は、法務大臣及び国土交通大臣の定める供託所です。
肢4: 正しい。還付充当金を納付すべき旨の通知を受けた社員は、その通知を受けた日から2週間以内に納付しなければならず、納付しないときは保証協会の社員の地位を失います。地位を失った日から1週間以内に営業保証金を供託しなければならない点もあわせて押さえます。
宅地建物取引業者Aが、BからB所有の宅地の売却の媒介を依頼され、Bとの間で媒介契約を締結した場合に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
正解: 4|テーマ: 媒介契約(3類型の対比・34条の2書面)
肢1: 誤り。専任媒介契約における指定流通機構への登録期間は、契約の締結の日から休業日を除いて7日以内です。休業日を除き5日以内とされるのは専属専任媒介契約であり、両者の数字を入れ替えたひっかけです。
肢2: 誤り。専属専任媒介契約における業務の処理状況の報告は、1週間に1回以上行わなければなりません。2週間に1回以上で足りるのは専任媒介契約です。なお、報告の方法は口頭でも差し支えありません。
肢3: 誤り。法第34条の2第1項の書面(媒介契約書面)には、宅地建物取引業者が記名押印します。宅地建物取引士の記名が必要となるのは35条書面と37条書面であり、媒介契約書面の作成に宅地建物取引士は関与しません。
肢4: 正しい。一般媒介契約では指定流通機構への登録義務はありません(任意に登録することは可能です)。また、媒介の目的物である宅地又は建物の価額について意見を述べるときは、媒介契約の類型を問わずその根拠を明らかにしなければならず、根拠の明示は口頭でも差し支えありません。
宅地建物取引業者が宅地建物取引業法第35条の規定により行う重要事項の説明に関する次の記述のうち、同法の規定によれば、正しいものはどれか。
正解: 1|テーマ: 重要事項説明(説明の相手方・方法・宅建士証の提示)
肢1: 正しい。重要事項の説明の相手方は、売買・交換では物件を取得しようとする者、貸借では借主です。売主や貸主は物件の内容を知る立場にあるため、これらの者に対する説明義務はありません。なお、借主が宅地建物取引業者である場合は、肢2と同様に書面の交付で足ります。
肢2: 誤り。相手方が宅地建物取引業者である場合は、重要事項説明書を交付すれば足り、宅地建物取引士による説明は不要です。ただし、書面への宅地建物取引士の記名を省略することはできません。
肢3: 誤り。重要事項の説明を行う場所について法律上の制限はなく、事務所以外の場所で行っても差し支えありません。一定の要件を満たせば、テレビ会議等のITを活用した重要事項説明を行うこともできます。
肢4: 誤り。重要事項の説明を行う宅地建物取引士は、専任の宅地建物取引士である必要はありません。また、宅地建物取引士証は、相手方から請求がなくても説明に先立って提示しなければならず、提示を怠ると10万円以下の過料に処せられることがあります。
この問において、重要事項の説明の相手方は、いずれも宅地建物取引業者ではないものとする。宅地建物取引業者Aが行う宅地建物取引業法第35条の規定に基づく重要事項の説明に関する次の記述のうち、同法の規定によれば、正しいものはどれか。
正解: 2|テーマ: 重要事項説明の記載事項(管理業者管理者方式)
肢1: 誤り。私道に関する負担は、建物の貸借の契約においては説明事項から除かれます。宅地の売買・交換・貸借及び建物の売買・交換では説明が必要であり、除外されるのが建物の貸借だけである点が要点です。
肢2: 正しい。令和8年4月1日施行の宅地建物取引業法施行規則の改正により、区分所有建物の売買・交換においては、一棟の建物の管理を受託しているマンション管理業者が管理組合の管理者等を兼ねている場合、その旨が重要事項の説明事項に追加されました。管理の受託者と管理者が同一になることによる利益相反のリスクを取引の相手方に知らせる趣旨です。なお、建物の貸借ではこの事項の説明は不要です。
肢3: 誤り。説明が必要となるのは、当該建物が耐震診断を受けたものであるときにその内容を説明することであり、宅地建物取引業者が自ら耐震診断を実施する義務はありません。なお、昭和56年6月1日以後に新築の工事に着手した建物は、この説明事項の対象外です。
肢4: 誤り。建物状況調査の結果の概要の説明が必要となるのは、調査が実施されてから1年(鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造の共同住宅等にあっては2年)を経過していないものに限られます。3年ではありません。
宅地建物取引業者Aが媒介により契約を成立させた場合に交付すべき宅地建物取引業法第37条の規定による書面(以下この問において「37条書面」という。)について、電磁的方法による提供は行わないものとして、次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはどれか。
正解: 4|テーマ: 37条書面(記載事項・交付相手・35条書面との対比)
肢1: 正しい。37条書面は契約内容を証明するための書面であり、交付の相手方は契約の両当事者です。媒介により売買契約が成立した場合、Aは売主・買主の双方に対して遅滞なく交付しなければなりません。
肢2: 正しい。37条書面に必要なのは宅地建物取引士の記名であって、専任である必要はありません。35条書面と異なり、宅地建物取引士が37条書面の内容を説明する義務もありません(押印も不要です)。
肢3: 正しい。移転登記の申請の時期は売買・交換に固有の必要的記載事項であり、権利移転を伴わない貸借では記載不要です。これに対し引渡しの時期は貸借でも必要的記載事項です。
肢4: 誤り。35条書面と37条書面は目的の異なる別個の書面であり、記載義務もそれぞれ独立しています。損害賠償額の予定又は違約金の定めがあるときは、35条書面への記載の有無にかかわらず、37条書面にも必ず記載しなければなりません。
宅地建物取引業者Aが行う宅地建物取引業法第35条の規定による重要事項の説明及び同法第37条の規定により交付すべき書面(以下この問において、それぞれ「35条書面」「37条書面」という。)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
正解: 2|テーマ: 35条書面と37条書面の横断対比(IT重説・交付時期・電磁的方法)
肢1: 誤り。ITを活用した重要事項の説明(IT重説)は、貸借の契約だけでなく売買・交換の契約についても認められています。双方向でやり取りできる映像・音声環境、35条書面等の事前交付、説明開始前の状態の確認、宅地建物取引士証の画面上での提示という4つの要件を満たす必要があります。
肢2: 正しい。35条書面は契約前の判断材料を提供する書面なので契約が成立するまでの間に交付して説明し、37条書面は契約内容を証明する書面なので契約成立後遅滞なく交付します。「契約前」と「契約後」が両者の決定的な違いです。
肢3: 誤り。相手方が宅地建物取引業者である場合に省略できるのは「説明」だけです。35条書面の交付義務と宅地建物取引士の記名は、業者間取引であっても省略できません。
肢4: 誤り。35条書面・37条書面のいずれも書面の交付に代えて電磁的方法により提供することができますが、それには相手方等の承諾を得ることが前提です。承諾を得ずに電磁的方法で提供することはできません。媒介契約書面(34条の2書面)も同じく承諾が前提である点をあわせて押さえます。
宅地建物取引業者Aが自ら売主として、宅地建物取引業者でない買主Bとの間で宅地の売買契約を締結し、Bはクーリング・オフについて書面で告げられているものとする。この場合における宅地建物取引業法第37条の2の規定によるいわゆるクーリング・オフに関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
正解: 1|テーマ: 8種制限(クーリング・オフの場所・8日の起算・発信主義・効果)
肢1: 正しい。売主業者が当該物件の売買の媒介又は代理を依頼した他の宅地建物取引業者の事務所も「事務所等」に含まれます。そこで買受けの申込みをしたBは、クーリング・オフによる解除をすることができません。
肢2: 誤り。買主が自ら申し出た場合の自宅・勤務先は「事務所等」に当たり、クーリング・オフの適用が除外されます。解除の可否は買受けの申込みをした場所で判断するため、その後の契約締結場所にかかわらずBは解除できません。
肢3: 誤り。クーリング・オフができるのは告げられた日から起算して8日を経過するまでであり、8日目はまだ期間内です。さらに解除は書面を発した時に効力を生じる(発信主義)ため、到達が10日目であっても解除は有効です。
肢4: 誤り。クーリング・オフができなくなるのは、物件の引渡しを受け、かつ、代金の全部を支払った場合です。引渡しを受けていても代金の一部しか支払っていない本肢では、8日を経過していない限り解除できます。
宅地建物取引業者Aが自ら売主として、宅地建物取引業者でない買主Bとの間で、代金4,000万円の工事の完了前の建物の売買契約を締結した。Bへの所有権移転の登記はされていないものとして、手付金等の保全措置に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはどれか。
正解: 4|テーマ: 8種制限(手付金等の保全措置・5%/10%/1,000万円の判定)
肢1: 正しい。工事完了前の物件では、手付金等の額が代金の5%以下かつ1,000万円以下であれば保全措置は不要です。代金4,000万円の5%は200万円であり、200万円はこれを超えないため保全措置は不要です。
肢2: 正しい。手付金150万円の段階では200万円以下なので保全不要ですが、中間金100万円を加えると合計250万円となり基準(200万円)を超えます。この場合は中間金の受領前に、既に受領した150万円を含む250万円全額について保全措置が必要です。
肢3: 正しい。売主業者が必要な保全措置を講じないときは、買主は手付金等を支払わないことができます。支払を拒んでも買主の債務不履行にはなりません。
肢4: 誤り。指定保管機関による保管を選択できるのは工事完了後(完成物件)の場合です。銀行等の保証と保証保険の2つに限られるのが工事完了前の物件であり、完成物件では指定保管機関による保管も選択できます。
宅地建物取引業者Aが自ら売主として、宅地建物取引業者でない買主Bとの間で代金3,000万円の宅地の売買契約を締結した場合について、次のア〜エの記述がある。ア Aは、必要な保全措置を講じた上で、Bから手付金として700万円を受領した。イ AB間で、債務不履行による契約の解除に伴う損害賠償の額を450万円と予定し、これとは別に違約金を150万円とする旨を定めた。ウ AB間で、本件宅地の種類又は品質に関する契約不適合についてBがその不適合をAに通知すべき期間を、引渡しの日から2年間とする旨を定めた。エ AB間で、本件宅地の種類又は品質に関する契約不適合についてAは一切責任を負わない旨を定めた。以上のア〜エの記述のうち、宅地建物取引業法の規定に違反するものはいくつあるか。
正解: 2|テーマ: 8種制限の複合(手付額制限・損害賠償額の予定・担保責任特約)
肢1: 記述アは違反する。自ら売主となる宅地建物取引業者は、代金の額の10分の2を超える額の手付を受領することができません。3,000万円の2割は600万円であり、700万円はこれを超えるため違反します。保全措置を講じたかどうかは手付額の制限とは別の問題です。
肢2: 記述イは違反しない。制限されるのは、損害賠償額の予定と違約金の合計が代金の額の10分の2を「超える」定めです。450万円+150万円=600万円は3,000万円のちょうど2割であり、超えていないため適法です。
肢3: 記述ウは違反しない。担保責任の特約は民法の規定より買主に不利なものが無効となりますが、契約不適合を通知すべき期間を引渡しの日から2年以上とする特約だけは例外として認められます。2年ちょうどの本記述はその範囲内です。
肢4: 記述エは違反する。契約不適合について売主が一切責任を負わないとする特約は民法の規定より買主に著しく不利であり、無効となるうえ、そのような特約を定めること自体が宅地建物取引業法に違反します。したがって違反するのはア・エの二つです。
宅地建物取引業者A及び宅地建物取引業者B(いずれも消費税課税事業者)は、Aが売主Cから、Bが買主Dからそれぞれ媒介の依頼を受け、代金700万円(消費税等相当額を含まない。)の宅地の売買契約を成立させた。当該宅地は低廉な空家等に該当し、当該媒介は通常の売買の媒介と比較して現地調査等の費用を要するものであって、A及びBは、媒介契約の締結に先立ち、C及びDに対してそれぞれが受領する報酬の額について説明し、その合意を得ている。この場合にA及びBが受領することができる報酬に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
正解: 2|テーマ: 報酬(速算式の計算と低廉な空家等の売買の媒介の特例)
肢1: 誤り。原則の上限額は速算式により700万円×3%+6万円=27万円、これに消費税10%を加えて29万7,000円ですが、本件は代金800万円以下の低廉な空家等に当たり、事前の説明と合意もあるため、特例により33万円まで受領できます。
肢2: 正しい。低廉な空家等(代金が消費税等相当額を含まないで800万円以下の宅地又は建物)の売買の媒介では、依頼者ごとに30万円×1.1=33万円(税込)を上限として受領できます。売主側のAはCから、買主側のBはDから、それぞれ33万円まで受領可能です。
肢3: 誤り。現行の特例は売主・買主のいずれの依頼者からも受領することができ、売主側に限られません。売主側のみ・400万円以下・18万円(税込19万8,000円)が上限とされていたのは2024年6月までの旧制度であり、現在は廃止されています。
肢4: 誤り。特例の上限は依頼者ごとに33万円なので、AとBがそれぞれ33万円を受領して合計66万円となっても差し支えありません。59万4,000円は原則の上限額29万7,000円を単純に2倍した数値にすぎず、本件の上限ではありません。
宅地建物取引業者Aが自ら売主となり、又は媒介を行う場合における広告及び業務に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはどれか。
正解: 3|テーマ: 広告に関する規制と業務上の禁止行為
肢1: 正しい。工事完了前の宅地建物については、開発許可・建築確認等の処分があった後でなければ広告をすることができません。広告をした時点で違反が成立し、契約が成立したかどうかは関係ありません。
肢2: 正しい。契約締結時期の制限が及ぶのは売買・交換の契約(自ら当事者となる場合・代理・媒介)に限られ、貸借の媒介・代理は対象外です。広告開始時期の制限が貸借にも及ぶこととの対比が頻出です。
肢3: 誤り。取引する意思のない物件や既に取引の対象となり得ない物件を掲載するいわゆるおとり広告も、誇大広告等の禁止に違反します。物件が実在するかどうかで判断するものではありません。
肢4: 正しい。手付金の貸付けその他信用の供与により契約の締結を誘引する行為は、誘引した時点で違反となります。契約が実際に締結されたかどうかは問いません。なお、手付金を値引きすることは信用の供与に当たらず適法です。
宅地建物取引業者A(甲県知事免許)の業務に関して、次のア〜エの記述がある。ア Aは、その事務所ごとに備える従業者名簿に、従業者の氏名及び従業者証明書番号のほか、その者の生年月日を記載しなければならない。イ Aがその事務所ごとに備える帳簿は、各事業年度の末日をもって閉鎖し、閉鎖後5年間(Aが自ら売主となる新築住宅に係るものにあっては10年間)保存しなければならない。ウ Aが乙県内において一団の宅地の分譲を行うため、土地に定着する建物内に案内所を設けて売買契約の締結を行う場合、Aは、業務を開始する日の10日前までに、甲県知事及び乙県知事に届け出なければならない。エ Aが設けた案内所において売買契約の締結を行わず、かつ、契約の申込みの受付も行わない場合であっても、Aは、当該案内所に標識を掲示しなければならない。以上のア〜エの記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。
正解: 3|テーマ: 帳簿・従業者名簿・標識・案内所等の届出
肢1: 記述アは誤り。従業者名簿の記載事項は施行規則の改正によりプライバシー保護の観点から整理され、生年月日及び性別は記載事項から削除されました。現在の記載事項は氏名・従業者証明書番号・主たる職務内容・宅地建物取引士であるか否かの別・従業者となった年月日等です。
肢2: 記述イは正しい。帳簿は各事業年度の末日をもって閉鎖し、閉鎖後5年間保存します。自ら売主となる新築住宅に係るものは10年間の保存が必要です。なお、帳簿には従業者名簿と異なり閲覧させる義務はありません。
肢3: 記述ウは正しい。契約の締結や申込みの受付を行う案内所は、業務を開始する日の10日前までに、免許権者と案内所の所在地を管轄する知事の双方に届け出ます。甲県知事免許のAが乙県内に設ける場合、届出先は甲県知事と乙県知事の両方です。
肢4: 記述エは正しい。標識の掲示義務は案内所等に一律に課されており、そこで契約の締結や申込みの受付を行うかどうかを問いません。届出と専任の宅地建物取引士の設置が必要になるのは契約締結等を行う案内所に限られる点と区別します。したがって正しいのはイ・ウ・エの三つです。
宅地建物取引業者に対する監督処分について、聴聞その他の手続は適法に行われるものとして、次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
正解: 1|テーマ: 監督処分(処分の種類と処分権者)
肢1: 正しい。業務が行われた区域を管轄する都道府県知事は、他の都道府県知事又は国土交通大臣の免許を受けた業者に対しても、指示処分及び業務停止処分をすることができます。免許権者でなくても処分できるのがこの2つです。
肢2: 誤り。免許取消処分をすることができるのは免許権者だけです。国土交通大臣免許のBが業務停止処分に違反した場合、免許を取り消すのは国土交通大臣であり(必要的免許取消事由)、業務地を管轄する知事にその権限はありません。
肢3: 誤り。業務停止処分の期間は1年以内です。2年以内ではありません。宅地建物取引士に対する事務禁止処分も同じく1年以内である点とあわせて覚えます。
肢4: 誤り。指示処分・業務停止処分・免許取消処分のいずれについても、あらかじめ聴聞を行わなければなりません。指示処分だけ聴聞が不要になるということはありません。唯一の例外は、事務所の所在地又は所在を確知できない宅地建物取引業者に対する免許の取消し(法第67条)で、この場合は公告の日から30日を経過することにより、聴聞を行うことなく免許を取り消すことができます。
宅地建物取引業者Aが自ら売主として新築住宅を販売する場合における資力確保措置に関する次の記述のうち、特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律の規定によれば、誤っているものはどれか。
正解: 4|テーマ: 住宅瑕疵担保履行法(資力確保措置・基準日・届出・供託所の説明)
肢1: 正しい。資力確保措置が義務付けられるのは、宅地建物取引業者が自ら売主となり、宅地建物取引業者でない買主に新築住宅を売る場合です。買主が宅地建物取引業者であれば義務はありません。
肢2: 正しい。基準日は毎年3月31日であり、その基準日に係る資力確保措置の状況を、基準日から3週間以内に免許権者へ届け出なければなりません。
肢3: 正しい。届出をしないと、当該基準日の翌日から起算して50日を経過した日以後は、新たに自ら売主となる新築住宅の売買契約を締結することができなくなります。「3週間以内の届出」と「翌日から50日」の2つの数字をセットで押さえます。
肢4: 誤り。供託所の所在地等の説明は、売買契約を締結するまでに、書面を交付して行わなければなりません。契約締結後に説明したのでは買主の判断材料になりませんので、「締結した後遅滞なく」とする本肢は誤りです。
独立行政法人住宅金融支援機構(以下この問において「機構」という。)の業務に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
正解: 3|テーマ: 住宅金融支援機構(証券化支援業務・直接融資)
肢1: 正しい。買取型は、金融機関から住宅ローン債権を買い取り、それを信託して発行するMBS(資産担保証券)を投資家に売却して資金を回収する仕組みです。機構が長期・固定金利のリスクを引き受けることで、民間金融機関単独では供給しにくい長期固定ローンを可能にしています。
肢2: 正しい。買取対象は、申込者本人又はその親族が居住するための住宅の建設・購入資金に係る貸付債権です。新築に限られず、中古住宅の購入資金や、既存の住宅ローンの借換えに係るものも対象となります。
肢3: 誤り。【フラット35】の貸付金利は、買取りの対象となる貸付けを行う各金融機関が独自に定めます。したがって金融機関ごとに金利は異なり、機構が全国一律に決定するわけではありません(なお、融資率が9割を超えると金利は高めに設定されます)。
肢4: 正しい。機構は原則として直接融資を行いませんが、民間金融機関では対応が困難な分野は例外として法律に列挙されています。災害復興建築物の建設・購入資金の貸付けはその代表例で、ほかに災害予防、マンションの共用部分の改良、子どもや高齢者に適した賃貸住宅の建設・改良、高齢者の家庭に適した住宅への改良(高齢者向け返済特例)、財形住宅融資などがあります。なお2026年4月からは、マンションの一棟リノベーション工事に必要な資金や、要除却認定マンションの除却に必要な資金(除却後に再建されない場合を含む)も直接融資の対象に加わりました。
宅地建物取引業者が行う広告に関する次の記述のうち、不当景品類及び不当表示防止法(不動産の表示に関する公正競争規約を含む。)の規定によれば、正しいものはどれか。
正解: 4|テーマ: 景品表示法・不動産の表示に関する公正競争規約
肢1: 誤り。徒歩所要時間は道路距離80mにつき1分として算出しますが、1分未満の端数は切り上げます。切り捨てると実際より近く見えるため、消費者に有利な方向である切上げが求められます(信号待ちや坂道の時間は含めません)。
肢2: 誤り。「新築」と表示できるのは、建築工事完了後1年未満であり、かつ、まだ人の居住の用に供されたことがないものに限られます。未使用要件を欠けば、完成後1年未満でも新築とは表示できません。
肢3: 誤り。おとり広告には、物件が存在しない場合だけでなく、存在するが取引の対象となり得ない物件や、実際には取引する意思のない物件の広告も含まれます。物件が実在することは、おとり広告でないことの理由になりません。
肢4: 正しい。過去の販売価格を比較対照価格とする二重価格表示は、過去の販売価格の公表日及び値下げした日を明示すること、値下げした日から6か月以内の表示であること等の要件をすべて満たす必要があります。要件を欠くものは不当な二重価格表示となります。
令和8年(2026年)8月末時点において公表されている不動産に関する最新の統計について述べた次の記述のうち、正しいものはどれか。
正解: 3|テーマ: 統計(地価公示・住宅着工・法人企業統計・宅建業者数)
肢1: 誤り。令和8年地価公示(令和8年1月1日時点)では、全用途平均・住宅地・商業地はいずれも5年連続の上昇で、ここまでは正しいものの、上昇幅が拡大したのは全用途平均と商業地であり、住宅地は前年と同じ上昇幅(+2.1%)でした。「連続年数は合っているが上昇幅の拡大・縮小がすり替えられている」典型パターンです。
肢2: 誤り。建築着工統計調査報告(令和7年計)によれば、新設住宅着工戸数は約74万戸・前年比6.5%減で3年連続の減少であり、ここまでは正しいものの、貸家も前年比5.0%減で3年連続の減少です。令和7年計は持家(4年連続減)・貸家(3年連続減)・分譲住宅(3年連続減)のすべてが減少しており、増加した利用関係はありません。
肢3: 正しい。年次別法人企業統計調査(令和6年度)によれば、不動産業の売上高は約58兆8,000億円で対前年度比4.2%増、経常利益は約7兆9,800億円で対前年度比8.7%増となり、売上高・経常利益とも2年連続の増加です。売上高経常利益率も13.6%と、全産業平均(6.8%)を大きく上回っています。
肢4: 誤り。令和6年度宅地建物取引業法の施行状況調査によれば、令和7年3月末現在の宅地建物取引業者数は132,291業者で、前年度末に比べ1,708業者(1.3%)増加し、11年連続の増加です。業者数の水準(約13万業者)は正しいものの、増減の方向と連続年数が逆に述べられています。
宅地としての適否に関わる土地の形質及び地形に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
正解: 3|テーマ: 土地(宅地としての適否と地形)
肢1: 正しい。台地・段丘は洪水の危険が小さく地盤も安定しているため、低地に比べ宅地として適しています。ただし縁辺部(崖に接する部分)や台地上の浅い谷は、崖崩れや出水のおそれがあるため注意が必要です。
肢2: 正しい。自然堤防は流路沿いの砂・小礫からなる微高地で、周囲の低地よりわずかに高く排水性もよいため、低地の中では宅地に適した地形とされます。これに対し背後の後背湿地は粘土質の軟弱地盤で、宅地には適しません。
肢3: 誤り。旧河道は砂やシルトが緩く堆積した軟弱地盤で、地下水位も高いため、地震時には液状化が生じやすく、宅地としては不適当な地形です。周囲より低い帯状の地形をなし、排水も悪い点で後背湿地と同様に注意を要します。
肢4: 正しい。扇状地は谷口に砂礫が堆積した地形で、砂礫質であるため水はけはよい一方、上流からの土石流が流下する経路にあたるため、集中豪雨時等の土石流災害には注意が必要です。
建築物の構造の種類とその特性及び建築材料に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
正解: 4|テーマ: 建物(構造の特性・耐震制震免震)
肢1: 正しい。木材は乾燥するほど強度が増し、逆に含水率が高いと強度は低下します。したがって構造材には十分に乾燥させた木材を用いる必要があります。
肢2: 正しい。鉄骨造は靱性(粘り強さ)に富み自重も軽いため、大空間や高層の建築物に適します。一方、鋼材は錆と熱に弱く、耐火被覆や防錆処理を欠くと火災時に急激に耐力を失います。
肢3: 正しい。圧縮に強いコンクリートと引張りに強い鉄筋を組み合わせるのが鉄筋コンクリート造の原理です。コンクリートのアルカリ性が鉄筋を保護しており、中性化が進むと鉄筋が錆びるため、所定のかぶり厚さの確保が重要となります。
肢4: 誤り。免震と制震の説明が逆です。基礎と上部構造の間に積層ゴム等の免震装置を設けて地震力の伝達を低減するのが免震構造であり、柱や梁にダンパー等を組み込んで揺れのエネルギーを吸収するのが制震構造です。