宅建士合格教科書|2026年度(令和8年度)
第 5 章|例年 4〜5 問出題

媒介契約と業務上の規制

3 つの媒介契約の対比と、広告・勧誘のルールを頻出数字で押さえる

この章で学ぶこと

例年 4〜5 問出題。数字の入替えで作問される領域ですが、対比表で固めれば安定して得点できます。4 問確保が目標です。

広告に関する 3 つの規制

広告は消費者が物件と最初に出会う入口です。そこで宅建業法は、①誇大広告等の禁止(32条)、②広告開始時期の制限(33条)、③取引態様の明示(34条)の 3 つで広告を縛っています。いずれも「消費者に誤った判断材料を与えない」という趣旨で貫かれています。

誇大広告等の禁止

物件の所在・規模・形質、現在または将来の利用の制限・環境・交通その他の利便、代金・借賃等の対価の額や支払方法、代金等に関する金銭の貸借のあっせんについて、著しく事実に相違する表示や、実際のものより著しく優良・有利であると人を誤認させる表示をしてはなりません。

ここで狙われるのは違反の成立時期です。誇大広告は広告をした時点で違反が成立します。誰も問い合わせてこなくても、契約が成立しなくても、損害を受けた人が一人もいなくても違反です。また、存在しない物件や、存在するが売る意思のない物件を広告する「おとり広告」も違反に含まれます。違反には監督処分に加えて罰則(6月以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金、または併科)があります。

広告開始時期の制限 — 未完成物件はいつから広告できるか

造成前の宅地や建築前・建築中の建物(未完成物件)は、開発許可・建築確認その他法令に基づく許可等の処分の後でなければ広告できません。許可や確認が下りなければ、その物件は絵に描いた餅かもしれないからです。「建築確認申請中」と正直に注記しても広告は許されません。

この規制は売買・交換・貸借のすべて、自ら取引・代理・媒介のすべての取引態様に適用されます。一方、よく似た規制に契約締結時期の制限(36条)があります。こちらは許可・確認前に契約を締結してはならないという規制ですが、対象は売買・交換だけで、貸借の媒介・代理には適用されません。貸借は所有権が動かず、借主の被害が売買ほど大きくないためです。この非対称が最大の出題ポイントです。

開発許可・建築確認等 時間の経過 許可・確認の前 許可・確認の後 広告(すべての取引態様) × できない ○ できる 契約(売買・交換) × できない ○ できる 契約(貸借の媒介・代理) ○ 契約できる ○ できる
図 5-1 縦の破線(許可・確認)の左側で○が付くのは「貸借の媒介・代理の契約」だけ。広告はどの取引態様でも左側では全面禁止という非対称を視覚で覚えます。
比較項目広告開始時期の制限(33条)契約締結時期の制限(36条)
対象となる時期許可・確認等の前は広告不可許可・確認等の前は契約不可
売買・交換適用あり(自ら・代理・媒介)適用あり(自ら・代理・媒介)
貸借の媒介・代理適用あり(広告は不可)適用なし(契約は可)

取引態様の明示

宅建業者がその物件の売主なのか、代理なのか、媒介なのかで、報酬の要否も責任の中身も変わります。そこで、広告をするときと注文を受けたとき(遅滞なく)の両方で取引態様の別を明示しなければなりません。広告で明示済みでも注文時の明示は省略できず、注文者が取引態様を知っていても省略できません。数回に分けて広告するときは、その都度明示が必要です。

規制内容頻出ポイント
誇大広告等の禁止著しい事実相違・著しい優良/有利誤認の表示禁止おとり広告も違反。契約不成立・被害ゼロでも広告時点で違反
広告開始時期の制限未完成物件は許可・確認等の後でなければ広告不可「申請中」と明示しても不可。貸借の広告も不可
取引態様の明示広告時+注文時の両方で明示どちらか一方では違反。都度明示・省略不可

媒介契約の 3 類型 — 拘束が強いほど義務が重い

売却を頼んだのに何もしてくれない「放置」、他社に頼ませず情報を抱え込む「囲い込み」。媒介契約の規制(34条の2)は、こうした依頼者の被害を防ぐ仕組みです。類型は 3 つあります。

依頼者を強く拘束する類型ほど、業者には手厚い義務(短い期間・頻繁な報告・早い登録)が課されます。「拘束とサービスは比例する」と理解すれば、数字の大小を間違えません。

A(依頼者) 依頼を受けた宅建業者B 他の宅建業者C Aが自ら見つけた相手方 媒介を依頼 重ねて依頼 自己発見取引 一般○ 専任× 専属専任× 一般○ 専任○ 専属専任×
図 5-2 A から出る 3 本の矢印のうち、下 2 本の可否が類型を分けます。「自己発見取引まで×」なのは専属専任だけ、という一点を押さえれば定義問題は落としません。
比較項目一般媒介専任媒介専属専任媒介
他の業者への重ねての依頼○××
自己発見取引○○×
有効期間制限なし3ヶ月以内3ヶ月以内
更新—依頼者の申出があるときのみ可(自動更新特約は無効)
業務処理状況の報告義務なし2週間に1回以上1週間に1回以上
レインズへの登録任意(登録は可能)7日以内(休業日除く)5日以内(休業日除く)
申込みがあった旨の報告3 類型とも遅滞なく報告する義務あり

数字まわりの正確な理解が得点を分けます。

指定流通機構(レインズ)への登録と成約の通知

レインズは業者間の物件情報ネットワークです。専任・専属専任では他の業者に頼めないぶん、情報を市場へ強制的に流通させて売れ残りを防ぎます。登録事項は物件の所在・規模・形質、売買すべき価額、主要な法令上の制限、専属専任媒介である場合はその旨など。依頼者の氏名・住所は登録事項ではありません(個人情報を市場にさらす必要はないからです)。

2026年法改正 省令改正(令和6年国土交通省令第70号、2025 年 1 月 1 日施行)により、レインズの登録事項に「申込みの受付に関する状況」が追加されています(囲い込み対策。申込みが入ったのに「なし」と装う操作を防ぐ趣旨)。令和 7 年度に出題済みですが、2 年連続の出題があり得る改正論点です。

依頼者A 宅建業者B レインズ(指定流通機構) ①媒介契約の締結(専任・専属専任) ②物件を登録(専任7日・専属専任5日) 休業日を除いてカウント ③登録を証する書面を発行 ④遅滞なく依頼者に引渡し(電磁的方法可) ⑤成約したら遅滞なく通知 登録番号・取引価格・契約成立年月日
図 5-3 ③の書面は業者 B ではなくレインズが発行し、B はそれを依頼者へ「引き渡す」点、⑤の通知 3 項目に当事者の氏名が含まれない点がひっかけの定番です。

暗記テク レインズと報告の数字は「専任はナニ(=レインズ7日以内・2週間に1回)、専属はイチゴ(=1週間に1回・レインズ5日以内)」。拘束が強い専属専任ほど数字が小さく(=手厚く)なります。

媒介契約書面(34条の2書面)

媒介契約自体は口頭でも成立します。しかし「頼んだ・頼んでいない」「報酬はいくらか」の紛争を防ぐため、売買・交換の媒介契約を締結したら、遅滞なく書面を作成し、記名押印して依頼者に交付しなければなりません(依頼者の承諾があれば電磁的方法による提供も可)。代理契約にも準用されます。押さえるべき骨格は 3 点です。

  1. 貸借の媒介・代理には適用なし — 貸借で書面を交付しなくても違反ではありません。独学者が最も見落とす頻出論点です。
  2. 記名押印するのは宅建業者 — 宅建士の記名は不要です。宅建士の記名が必要なのは 35 条書面・37 条書面であり、34条の2書面は宅建士の独占業務と無関係です。
  3. 一般媒介でも交付は必要 — 3 類型のどれで締結しても、売買・交換の媒介である限り書面は必要です。依頼者が宅建業者でも省略できません。
主な記載事項内容注意点
物件の表示・売買すべき価額物件を特定する表示と価額(評価額)価額に意見を述べるときは根拠の明示が必要
媒介契約の類型一般か専任か専属専任か、他の業者への依頼の許否類型を問わず記載
有効期間・解除に関する事項期間と解除の定め専任系は 3ヶ月以内
レインズへの登録に関する事項登録の有無等一般媒介(登録任意)でも記載
報酬・違反した場合の措置報酬額と契約違反時の措置省略不可
建物状況調査のあっせん既存建物のとき、あっせんに関する事項あっせんの実施自体は義務ではない
標準媒介契約約款基づくか否かの別基づかない場合も「基づかない旨」を記載

記載事項は定めがなくても一切省略できません。また、業者が売買すべき価額について意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければなりません。根拠の明示は口頭でもよく、根拠を示すための査定に要した費用を依頼者に請求することはできません。

業務に関する禁止事項と守秘義務

契約を「取る」ための不当な圧力・甘言から相手方を守る規制群です(47条・47条の2)。試験では「どこまでが違反か」の線引きが問われます。

禁止行為違反となる例違反とならない例
重要な事実の不告知・不実告知心理的瑕疵を故意に告げない、ウソを告げる—
断定的判断の提供「必ず値上がりします」「確実に転売益が出ます」根拠を示した客観的な市況説明
威迫行為「なぜ会わないのか」と面会を強要し困惑させる—
手付についての信用の供与手付の貸付け・立替え・分割払い・後払い手付の減額、金融機関の融資のあっせん
迷惑勧誘等社名・氏名・勧誘目的を告げない電話勧誘、拒絶後の再勧誘、迷惑な時間帯の電話・訪問—
その他預り金の返還拒否、手付放棄による解除の妨害—

断定的判断の提供は故意でなくても違反です(「そう信じていた」は通用しません)。また 47 条の 2 の禁止行為(断定的判断・威迫・迷惑勧誘等)には罰則の定めがなく、指示処分・業務停止処分などの監督処分で対応します。一方、重要な事実の不告知等と手付貸与等の誘引には罰則もあります。

違反となる(信用の供与にあたる) 手付金の貸付け・立替え 分割払い・後払いにする 約束手形で受領する 違反とならない 手付金の減額(値引き) 金融機関の融資をあっせん =信用の供与にあたらない 誘引した時点で違反──契約が成立しなくても違反になる
図 5-4 左の箱は「支払いを先延ばしにして買わせる」行為、右の箱は「支払額そのものを減らす・正規の融資につなぐ」行為。この線引きと、誘引だけで違反が成立する点をセットで覚えます。

守秘義務(45条・75条の3)も業務規制の一つです。宅建業者とその従業者は、正当な理由なく、業務上知り得た秘密を他に漏らしてはなりません。義務を課す条文は名宛人ごとに分かれていて、宅建業者は 45 条、その使用人その他の従業者は 75 条の 3 です。この義務は廃業後・退職後も続きます。正当な理由の例は、①本人の承諾がある場合、②裁判で証人として証言を求められた場合、③取引の相手方に重要事項として告げるべき場合(告知義務が守秘義務に優先する)です。

従業者証明書・従業者名簿・帳簿

「誰が働いていて、どんな取引をしたか」を追跡可能にする規制です。数字と起算点の入替えが繰り返し出題されています。

帳簿──取引のあったつど記載・閲覧義務なし 閉鎖後 5 年間保存(自ら売主の新築住宅は 10 年) 閉鎖(各事業年度の末日) 廃棄できる 従業者名簿──取引の関係者に閲覧させる義務あり 10 年間保存 最終の記載をした日 廃棄できる
図 5-5 保存期間の起算点はどちらも「取引の終了時」ではありません。帳簿は事業年度末の閉鎖から、名簿は最終記載日から数えます。ここを入れ替えるひっかけが繰り返し出ています。
比較項目従業者名簿帳簿
備える場所事務所ごと事務所ごと
記載のタイミング従業者の異動等のつど取引のあったつど
保存期間最終の記載をした日から 10 年閉鎖後 5 年(自ら売主の新築住宅は 10 年)
閲覧義務あり(取引の関係者の請求)なし

2026年法改正 プライバシー保護のための様式改正(令和6年国土交通省令第70号、2025 年 4 月 1 日施行)により、従業者名簿の記載事項から「性別」「生年月日」が削除されました。「名簿に従業者の生年月日を記載しなければならない」は誤りです。同じ趣旨の様式改正は次節で扱う標識(業者票)にも及んでいます。

標識の掲示と案内所等の規制

宅建業者は、事務所だけでなく業務を行う場所ごとに、公衆の見やすい場所に標識を掲示しなければなりません(50条1項)。無免許業者の紛れ込みを外から見分けられるようにする趣旨です。掲示するのはあくまで標識であり、「免許証の掲示義務」は存在しません。モデルルームや現地案内所のほか、一団(10 区画以上の宅地・10 戸以上の建物)の宅地建物を分譲する場合はその物件の所在する場所にも売主業者の標識が必要です。他の業者に販売代理・媒介を依頼して案内所を設置させる場合、案内所の標識は設置した代理・媒介業者が掲げ、そこに売主の商号・免許証番号も記載します。

さらに、案内所等のうち契約の締結または申込みの受付を行う場所には、重い規制が上乗せされます(50条2項の届出+専任宅建士の設置)。ここで主体を取り違えないでください。届出も標識も、案内所を設置した代理・媒介業者が行います。売主業者にその案内所の届出義務はありません(売主業者に求められるのは、前述のとおり分譲物件の所在する場所への標識の掲示です)。

2026年法改正 標識(業者票)の様式も改正されています。「専任の宅建士の氏名」欄が「専任の宅建士の数」に変わり(宅建業に従事する者の数も併記)、事務所の代表者氏名欄が新設され、規定サイズも縦 25cm 以上・横 35cm 以上に縮小されました。「標識に専任の宅建士の氏名を記載しなければならない」は誤りです。

契約の締結・申込みの受付を行う? はい いいえ 50条2項の届出が必要な案内所等 ・業務開始の10日前までに届出 ・免許権者と所在地の知事の両方へ ・専任の宅建士1人以上+標識 届出が不要な案内所等 ・標識の掲示のみ必要 ・専任の宅建士も届出も不要 (例:単なる物件案内だけの現地案内所)
図 5-6 分かれ目は場所の名前ではなく「契約・申込みをするかどうか」。届出先が免許権者と所在地知事の「両方」である点、期限が 10 日前である点が数字ひっかけの定番です。
備えるもの事務所契約等を行う案内所等その他の案内所等
標識必要必要必要
報酬額の掲示必要不要不要
帳簿・従業者名簿必要(事務所ごと)不要不要
専任の宅建士従業者 5 人に 1 人以上1 人以上不要
50条2項の届出—必要(10 日前・両方へ)不要

ひっかけポイント

ここがひっかけ①「貸借」の横串 貸借の媒介・代理には、①34条の2書面の交付義務がない、②契約締結時期の制限がない。ただし広告開始時期の制限はある(未完成物件は貸借でも広告不可)。「貸借だから全部緩い」と一括りにさせるのが作問者の狙いです。

ここがひっかけ②主体の入替え 34条の2書面に記名押印するのは宅建業者(宅建士ではない)。レインズの「登録を証する書面」を発行するのは指定流通機構(業者が作成するのではない)で、業者はそれを依頼者へ引き渡す(提示では足りない)。「誰が」を入れ替えるだけで誤り肢が量産されます。

ここがひっかけ③数字と起算点 レインズ登録の 7 日・5 日は休業日を除き、報告の 2 週・1 週に休業日除外はない。帳簿の 5 年は閉鎖後から(取引終了後ではない)、名簿の 10 年は最終記載日から。案内所の届出は 10 日前。単位と起算点をセットで暗記してください。

ここがひっかけ④違反の成立時期 誇大広告は広告した時点で、手付貸与等は誘引した時点で違反が成立します。「問い合わせがなかったから」「契約に至らなかったから」セーフ、とする肢はすべて誤りです。

一問一答で総仕上げ

Q1. 宅建業者Aが、実際には売却する意思のない物件の広告を掲載したが、その広告について問合せはなく、取引も成立しなかった。この場合、Aは誇大広告等の禁止に違反しない。(○か×か)

答え: × 取引する意思のない物件の広告(おとり広告)も誇大広告等の禁止に違反します。違反は広告をした時点で成立し、問合せ・契約成立・損害発生の有無を問いません。

Q2. 宅建業者Aは、建築確認を申請中の新築分譲マンションについて、広告に「建築確認申請中」と明示すれば、売買の広告をすることができる。(○か×か)

答え: × 未完成物件は建築確認等の処分の後でなければ広告できません。「申請中」と明示しても許されません。

Q3. 宅建業者Aは、建築確認を受ける前の建物について、貸借の媒介を行うことはできるが、その建物の貸借の広告をすることはできない。(○か×か)

答え: ○ 契約締結時期の制限(36条)は売買・交換のみが対象で、貸借の媒介・代理には適用されません。一方、広告開始時期の制限(33条)はすべての取引態様に及ぶため、貸借の広告は確認前には不可です。

Q4. 宅建業者Aが広告で取引態様の別を明示していた場合でも、その広告を見た者から注文を受けたときは、遅滞なく、改めて取引態様の別を明らかにしなければならない。(○か×か)

答え: ○ 取引態様の明示は広告時と注文時の両方で必要です。広告で明示済みでも、注文時の明示は省略できません。

Q5. 宅建業者AとBが締結した専任媒介契約において有効期間を6ヶ月と定めた場合、その媒介契約は無効となる。(○か×か)

答え: × 専任媒介契約の有効期間は3ヶ月以内であり、これを超える定めをしたときは3ヶ月に短縮されます。契約自体が無効になるのではありません。

Q6. 専属専任媒介契約を締結した宅建業者は、契約締結の日から休業日を含めて5日以内に、指定流通機構へ物件に関する事項を登録しなければならない。(○か×か)

答え: × 専属専任媒介の登録期限は、休業日を「除いて」5日以内です(専任媒介は休業日を除いて7日以内)。「含めて」とする肢は誤りです。

Q7. 一般媒介契約を締結した宅建業者は、業務処理状況を定期的に報告する義務を負わないが、目的物件について購入の申込みがあったときは、遅滞なく依頼者に報告しなければならない。(○か×か)

答え: ○ 定期報告義務は専任(2週間に1回以上)・専属専任(1週間に1回以上)のみですが、申込みがあった旨の報告は媒介契約の類型を問わず義務です。

Q8. 宅建業者Aは、Bから建物の貸借の媒介の依頼を受け媒介契約を締結したときは、遅滞なく、34条の2の規定に基づく媒介契約書面を作成してBに交付しなければならない。(○か×か)

答え: × 34条の2の規定は売買・交換の媒介(代理)にのみ適用され、貸借の媒介には適用されません。貸借で書面を交付しなくても違反ではありません。

Q9. 34条の2の規定に基づく媒介契約書面には、専任の宅建士をして記名させなければならない。(○か×か)

答え: × 媒介契約書面に記名押印するのは宅建業者であり、宅建士の記名は不要です。宅建士の記名が必要なのは35条書面と37条書面です。

Q10. 宅建業者Aは、手付金を分割払いとすることを認めて売買契約の締結を誘引したが、相手方は契約を締結しなかった。この場合、Aは宅建業法に違反しない。(○か×か)

答え: × 手付の分割払いを認めることは信用の供与にあたり、誘引した時点で違反が成立します。契約の成否は関係ありません。なお、手付の減額や金融機関の融資のあっせんは違反ではありません。

Q11. 宅建業者Aは、取引の関係者から請求があったときは従業者名簿を閲覧に供しなければならないが、帳簿については閲覧させる義務を負わない。(○か×か)

答え: ○ 閲覧義務があるのは従業者名簿(最終記載日から10年保存)のみです。帳簿(閉鎖後5年、自ら売主の新築住宅は10年保存)に閲覧義務はありません。

Q12. 甲県知事免許の宅建業者Aが、乙県内に契約の締結を行う案内所を設置する場合、業務を開始する日の10日前までに、免許権者である甲県知事にのみ届け出ればよい。(○か×か)

答え: × 50条2項の届出は、免許権者(甲県知事)と案内所の所在地を管轄する乙県知事の「両方」へ、業務開始の10日前までに行う必要があります。

まとめ

論点数字・結論ひっかけ注意
広告開始時期の制限許可・確認等の後から。全取引態様貸借の契約は許可前でも可(36条は売買・交換のみ)
取引態様の明示広告時+注文時の両方省略不可・都度明示
専任媒介3ヶ月・報告2週1回・レインズ7日7日は休業日を除く
専属専任媒介3ヶ月・報告1週1回・レインズ5日自己発見取引も不可
34条の2書面売買・交換のみ。業者が記名押印貸借は不要・宅建士の記名不要
手付の信用供与貸付け・分割・後払いは違反減額・融資あっせんは適法。誘引だけで違反
従業者名簿最終記載日から10年・閲覧義務あり性別・生年月日は記載事項から削除(改正)
帳簿閉鎖後5年(新築売主10年)・閲覧義務なし起算は「閉鎖後」。取引の都度記載
案内所等の届出10日前までに免許権者+所在地知事契約・申込みをする案内所のみ。標識は全場所

対比表を自分の手で再現できるようになったら、次章「重要事項説明(35条書面)と 37条書面」へ。この章で学んだ「書面は誰が・誰に・いつ」の視点が、業法最大の得点源でそのまま武器になります。