この章で学ぶこと
- 宅建士だけができる 3 つの独占業務と、「宅建士証の交付を受けて初めて宅建士」という定義
- 試験合格 → 登録 → 宅建士証交付の 3 ステップと、それぞれの有効期間・必要な講習
- 登録の欠格事由 — 業者の免許との「未成年者の扱いの違い」が最大の対比ポイント
- 変更の登録(義務・遅滞なく)と登録の移転(任意・勤務地の変更のみ)の区別
- 宅建士証の提示・提出・返納の 3 動詞と、専任の宅建士の設置基準(5 人に 1 人・案内所 1 人)
例年 2〜3 問出題。前章の免許制度と「どこが同じで、どこが違うか」を意識して整理すれば、2 問確保が現実的な目標です。
宅建士とは — 3 つの独占業務
宅地建物取引士(以下「宅建士」)とは、宅建試験に合格し、登録を受け、宅建士証の交付を受けた者をいいます。試験に受かっただけの人も、登録を済ませただけの人も、まだ宅建士ではありません。趣旨は消費者保護です。素人には一生に一度の高額取引だからこそ、法律のプロが契約前に重要な情報を説明し、書面に責任者として名を残す仕組みが必要なのです。
宅建士でなければできない仕事(独占業務)は、次の 3 つだけです。
- ① 重要事項の説明(宅建業法35条)— 契約が成立する前に行う
- ② 35条書面(重要事項説明書)への記名
- ③ 37条書面(契約内容を記した書面)への記名
かつては記名に加えて押印も必要でしたが、法改正により 35条書面・37条書面とも押印は不要になっています。ただし、これは宅建士が記名する 2 枚の話です。媒介契約書面(34条の2)は今も宅建業者が記名押印する書面のままで、押印が残っているのはここだけです。また、独占業務の 3 つはいずれも「宅建士であればよい」業務であり、事務所に置かれる専任の宅建士である必要はありません。パート勤務の宅建士が重要事項説明を行っても適法です。
| 業務 | 宅建士限定か |
|---|---|
| 重要事項の説明 | ○ 独占業務 |
| 35条書面への記名 | ○ 独占業務 |
| 37条書面への記名 | ○ 独占業務 |
| 媒介契約書面(34条の2)の記名押印 | ×(宅建業者の義務。宅建士でなくてよい) |
| 物件の案内・広告・契約書の案作成 | ×(誰でもできる) |
宅建士になるまでの 3 ステップ
宅建士になるルートは「試験合格 → 登録 → 宅建士証の交付」の 3 ステップです。各ステップの有効期間が異なる点が最重要で、合格と登録は一生モノ、宅建士証だけが 5 年で更新を迎えます。
次の表がこの章の背骨です。特に、登録の申請先が「住所地」ではなく合格地の知事であること、法定講習の免除が「合格後 1 年以内」と「登録の移転に伴う交付」の 2 つだけであることは、そのまま出題されます。
暗記テク 有効期間は「合格一生・登録一生・宅建士証は 5 年」とリズムで覚えます。講習は 2 種類あり、「登録実務講習は大臣・法定講習は知事」と主体をセットで記憶してください。試験ではこの主体の入替えが狙われます。
| ステップ | 有効期間 | 要件・講習 |
|---|---|---|
| ① 試験合格 | 一生有効 | 不正受験は合格取消し+最長 3 年の受験禁止 |
| ② 登録(合格地の知事) | 一生有効 | 実務経験 2 年以上 or 登録実務講習(大臣登録)修了 |
| ③ 宅建士証の交付 | 5 年 | 交付申請前 6 月以内の法定講習(知事)。合格後 1 年以内・登録の移転に伴う交付は免除 |
登録の欠格事由 — 免許との違い
登録の欠格事由は、前章で学んだ免許の欠格事由とほぼ共通です。破産手続開始決定を受けた者は復権を得れば直ちに登録でき、拘禁刑以上の刑は罪名を問わず執行終了から 5 年、罰金刑は宅建業法違反・傷害などの暴力系犯罪・背任罪に限って 5 年の欠格です。第2章で学んだ三大悪事由(①不正の手段で免許を取得 ②業務停止処分事由に該当し情状が特に重い ③業務停止処分違反)による免許取消しで 5 年間欠格となるのも同じ構造です。宅建士側にもこれに対応する 3 つの事由があり、①不正の手段で登録を受けた ②不正の手段で宅建士証の交付を受けた ③事務禁止処分事由に該当し情状が特に重い、または事務禁止処分に違反した — のいずれかで登録消除処分を受けると、処分の日から 5 年間は再登録できません。
2026年法改正 刑法改正により懲役・禁錮が拘禁刑に一本化され(2025 年 6 月 1 日施行)、登録の欠格事由の条文も「拘禁刑以上の刑に処せられ…」と読み替えられました。欠格期間 5 年や、罰金刑で欠格となる罪名の範囲に変更はありません。「懲役に処せられた者は…」という旧文言の知識のままの受験生を狙い、「拘禁刑に処せられたが執行猶予期間が満了した → 直ちに登録可(○)」のように新用語で従来論点を問う出題が本命です。
差がつくのは、免許と結論が異なる部分です。最大の違いは未成年者の扱いで、営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者は、免許なら法定代理人が欠格でなければ受けられるのに対し、登録は一律にできません。宅建士は自ら重要事項説明を行う職責を負うため、業者より厳しくなっていると理解してください。なお、法定代理人から宅建業の営業を許可された未成年者は「成年者と同一の行為能力を有する」ので登録できます。
| 論点 | 業者の免許 | 宅建士の登録 |
|---|---|---|
| 破産手続開始決定 | 復権で直ちに回復 | 同じ(復権で直ちに回復) |
| 拘禁刑以上の刑 | 罪名を問わず執行終了から 5 年 | 同じ |
| 罰金刑 | 宅建業法違反・暴力系・背任罪のみ 5 年 | 同じ |
| 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者 | 法定代理人が欠格でなければ免許可 | 一律に登録不可(救済なし) |
| 三大悪事由による免許取消し・登録消除 | 免許取消しから 5 年 | 登録消除処分から 5 年 |
| 取消し・消除の聴聞が公示された後の駆け込み | 廃業等の届出の日から 5 年 | 登録が消除された日から 5 年 |
| 事務禁止処分の期間中に本人申請で登録を消除した者 | — | 禁止期間が満了するまで再登録不可 |
下の 2 行は、どちらも「処分逃れ」を塞ぐ規定です。登録消除処分の聴聞が公示された後にあわてて自分から消除を申請しても、相当の理由がない限り、登録が消除された日から 5 年間は再登録できません。業者が同じ場面で駆け込みの廃業届出をしたときの起算点は届出の日なので、この起算点の違いが対比の急所です。また、事務禁止処分を受けた宅建士が処分逃れのために自分から登録の消除を申請しても、禁止期間が満了するまでは登録し直せません。いずれも「消除してリセット」という抜け道を塞ぐ趣旨です。
変更の登録・登録の移転・死亡等の届出
変更の登録 — 義務・遅滞なく
登録を受けると、知事の資格登録簿に氏名・生年月日・住所・本籍・勤務先の宅建業者の商号(名称)や免許証番号などが登載されます。この登載事項に変更が生じたら、遅滞なく、登録を受けている知事に変更の登録を申請しなければなりません(義務)。引っ越しで住所が変わった、転職して勤務先業者が変わった、結婚で氏が変わった — いずれも対象です。事務禁止処分の期間中であっても、この義務はなくなりません。
なお資格登録簿には住所や本籍といった個人情報が登載されるため、業者名簿と違って一般の閲覧に供する制度はありません(非公開)。
暗記テク 業者の「変更の届出」は 30 日以内、宅建士の「変更の登録」は遅滞なく。どちらの話か迷ったら、「登録」という単語が出たら宅建士(合格 → 登録の登録だから)と判定するのが早道です。
登録の移転 — 任意・勤務地の変更のみ
前提として、宅建士の登録は同時に 2 つ以上の知事のもとに置けません。すでに他の都道府県知事の登録を現に受けている者は、登録を拒否されるからです。だから勤務先が他県に移っても「向こうの県で登録を取り直す」ことはできず、今ある登録を持ち運ぶ「移転」という制度が用意されているわけです。
登録の移転は、登録先の都道府県以外の都道府県にある宅建業者の事務所の業務に従事し、または従事しようとするときに、現在の登録知事を経由して移転先の知事に申請「できる」制度です。義務ではなく任意である点、そして勤務地の変更が要件である点が急所です。単に住所を他県へ移しただけでは申請できません。遠方の合格地で更新講習を受ける不便を解消する制度なので、勤務地が変わらない限り認める理由がない、と趣旨で覚えると忘れません。
登録の移転に伴い交付される新しい宅建士証の有効期間は、新規の 5 年ではなく従前の宅建士証の残存期間で、旧宅建士証と引換えに交付されます。このときの交付には法定講習は不要です。また、事務禁止処分の期間中は登録の移転を申請できません(処分逃れの防止)。
| 項目 | 変更の登録 | 登録の移転 |
|---|---|---|
| 性質 | 義務 | 任意(「できる」) |
| 事由 | 氏名・住所・本籍・勤務先業者の商号等の変更 | 他県の業者の事務所の業務に従事する(しようとする)とき |
| 期限 | 遅滞なく | 期限なし(任意だから) |
| 申請先 | 登録している知事 | 登録知事を経由して移転先の知事へ |
| 事務禁止処分の期間中 | 申請義務あり | 申請不可 |
| 宅建士証への影響 | 氏名・住所の変更なら書換え交付を同時申請 | 残存期間の新宅建士証を引換え交付(講習不要) |
死亡等の届出 — 30 日以内
宅建士が死亡したり欠格事由に該当したりしたときは、30 日以内に登録している知事へ届け出なければなりません。誰が・いつから数えて届け出るかがそのまま出題されます。
| 事由 | 届出義務者 | 起算点・期限 |
|---|---|---|
| 死亡 | 相続人 | 知った日から 30 日以内 |
| 心身の故障(省令で定めるもの) | 本人・法定代理人・同居の親族 | 該当した日から 30 日以内 |
| 破産手続開始決定・その他の欠格事由 | 本人 | 該当した日から 30 日以内 |
比較で問われるのが業者の廃業等の届出です。業者が破産したときの届出義務者は破産管財人ですが、宅建士が破産したときは本人が届け出ます。主語の入替えに注意してください。
宅建士証 — 提示・提出・返納
宅建士証は知事が交付する顔写真付きの証明書で、氏名・住所・生年月日などが記載されます(婚姻等で氏が変わった場合は旧姓の併記も可能です)。勤務先の業者名は記載されていません。したがって、氏名や住所が変わったときは変更の登録とあわせて宅建士証の書換え交付を申請しますが、転職して勤務先が変わっただけなら、変更の登録は必要でも書換え交付は不要です。運転免許証に勤務先が載らないのと同じイメージで覚えてください。亡失・破損したときは再交付を申請でき、再交付後に亡失した宅建士証を発見したら、発見した古い方を速やかに返納します。
宅建士証をめぐる義務は「提示・提出・返納」の 3 動詞で整理します。
提示義務には温度差があります。重要事項説明のときは相手方から請求がなくても自ら提示しなければならず、怠ると 10 万円以下の過料です。一方、取引の関係者から請求されたときの提示義務には罰則がありません。なお従業者証明書(請求があれば提示)は宅建士証とは別の制度で、宅建士証の提示で代替できません(詳細は第 5 章)。
| 場面 | すべきこと | 相手・罰則 |
|---|---|---|
| 重要事項説明をするとき | 提示(請求不要・自ら) | 相手方へ。怠ると 10 万円以下の過料 |
| 取引の関係者から請求があったとき | 提示 | 請求者へ。罰則なし |
| 事務禁止処分を受けたとき | 提出(速やかに) | 交付を受けた知事へ。10 万円以下の過料 |
| 登録消除・効力喪失のとき | 返納(速やかに) | 交付を受けた知事へ。10 万円以下の過料 |
専任の宅建士の設置義務
宅建業者は、事務所ごとに、業務に従事する者 5 人に 1 人以上の割合で、成年者である専任の宅建士を置かなければなりません。契約の締結や申込みの受付を行う案内所等には、従事者の数にかかわらず 1 人以上で足ります。「専任」とは、その事務所に常勤し(常勤性)、宅建業の業務に専従する(専従性)ことを意味します。
退職などで法定数を下回ったら、2 週間以内に補充その他の必要な措置をとらなければなりません。業者の「30 日」(変更の届出)と混同させる出題が定番です。なお、宅建業者(個人)自身やその法人の役員が宅建士であるときは、その者が主として業務に従事する事務所等について、成年者である専任の宅建士とみなされます。この「みなし専任」により、営業許可を受けた未成年の宅建士も、自らが業者・役員なら専任と数えられます。
2026年法改正 様式改正(2025 年 4 月 1 日施行)により、事務所等に掲げる業者票(標識)の記載事項が「専任の宅建士の氏名」から「専任の宅建士の数」(宅建業に従事する者の数を併記)に変わりました。「標識には専任の宅建士の氏名を記載しなければならない」という旧知識の肢は誤りです。あわせて従業者名簿からは性別・生年月日の欄が削除されています(第 5 章参照)。
宅建士の責務と監督処分
宅建業法は宅建士に 3 つの責務を課しています。①業務処理の原則 — 取引の専門家として公正かつ誠実に事務を行い、関連業務従事者との連携に努めること。②信用失墜行為の禁止 — 宅建士の信用や品位を害する行為をしてはならないこと。職務として行われるものに限らず、職務に必ずしも直接関係しない行為でも対象になります。③知識・能力の維持向上(努力義務)です。
宅建士がルールに違反したときの監督処分は、軽い順に指示処分・事務禁止処分(1 年以内)・登録消除処分の 3 段階です。処分権者は登録している知事のほか、指示処分と事務禁止処分は行為地の知事も行えます。処分の要件・手続の詳細は第 8 章でまとめて学びますので、この章では「事務禁止処分を受けたら宅建士証を交付知事へ提出」「禁止期間中は登録の移転・再登録が制限される」という接続だけ押さえてください。
ひっかけポイント
ここがひっかけ ① 「30 日以内」と「遅滞なく」のすり替え 業者の変更の届出は 30 日以内、宅建士の変更の登録は遅滞なく。「宅建士は住所変更から 30 日以内に変更の登録を…」と期限を付け替えた肢が頻出です。
ここがひっかけ ② 登録の移転は「住所変更」ではできない 登録の移転の要件は勤務地が他県に変わることであり、転居だけでは申請できません。さらに「〜しなければならない」と義務に書き換える肢(正しくは任意)、移転後の宅建士証の有効期間を「5 年」とする肢(正しくは残存期間)まで、1 つの制度で 3 パターンのひっかけが作られます。
ここがひっかけ ③ 提出先・返納先は「交付を受けた知事」 事務禁止処分は行為地の知事も行えるため、「処分をした知事に提出」と書くと誤りになる場合があります。提出・返納の相手は常に交付を受けた知事(=登録している知事)です。更新時の法定講習も「知事」の講習で、「大臣」に替えるひっかけがあります。
ここがひっかけ ④ 宅建士証に勤務先は載っていない 転職したら変更の登録(義務)は必要ですが、宅建士証の書換え交付は不要です。「勤務先が変わったので書換え交付を申請しなければならない」は誤り。また、資格登録簿は住所・本籍を含むため非公開(閲覧制度なし)で、公開される業者名簿との対比で問われます。
一問一答で総仕上げ
Q1. 宅建試験に合格した者は、合格した日から 10 年以内に登録の申請をしなければ、合格の効力を失う。(○か×か)
答え: × 合格の効力は一生有効で、期限はありません。効力を失うのは、不正の手段で受験して合格の決定を取り消された場合です(あわせて最長 3 年の受験禁止があり得ます)。
Q2. 甲県で行われた試験に合格した者が乙県に住んでいる場合、登録は住所地である乙県知事に申請する。(○か×か)
答え: × 登録の申請先は住所地ではなく、合格した試験を行った甲県知事です。合格地主義と覚えてください。
Q3. 試験合格後 1 年以内に宅建士証の交付を受けようとする者は、交付申請前 6 月以内に行われる法定講習を受講する必要がない。(○か×か)
答え: ○ 合格後 1 年以内の交付申請では法定講習が免除されます。登録の移転に伴って新しい宅建士証の交付を受ける場合も同様に不要です。
Q4. 宅建士が転居して住所が変わったときは、30 日以内に変更の登録を申請しなければならない。(○か×か)
答え: × 変更の登録は「30 日以内」ではなく遅滞なく申請します。30 日以内は業者の変更の届出の期限です。
Q5. 甲県知事の登録を受けている宅建士が、住所を乙県に移した場合、乙県知事に登録の移転を申請することができる。(○か×か)
答え: × 登録の移転ができるのは、乙県にある宅建業者の事務所の業務に従事し、または従事しようとするときだけです。住所の変更だけでは申請できず、変更の登録を遅滞なく行えば足ります。
Q6. 登録の移転とともに交付される新しい宅建士証の有効期間は、交付の日から 5 年である。(○か×か)
答え: × 従前の宅建士証の残存期間が新しい宅建士証の有効期間になります。旧宅建士証と引換えに交付され、このとき法定講習は不要です。
Q7. 宅建士が死亡した場合、その相続人は、死亡した日から 30 日以内に登録している知事に届け出なければならない。(○か×か)
答え: × 起算点は死亡の日ではなく、相続人が死亡の事実を知った日です。そこから 30 日以内に届け出ます。
Q8. 宅建士は、重要事項説明をする際、相手方から請求がなければ宅建士証を提示しなくてもよい。(○か×か)
答え: × 重要事項説明の際は、請求の有無にかかわらず自ら提示しなければなりません。怠ると 10 万円以下の過料です。請求がなければ不要なのは、取引の関係者への一般的な提示義務の場面です。
Q9. 乙県知事から事務禁止処分を受けた宅建士(甲県知事の登録・交付)は、速やかに宅建士証を乙県知事に提出しなければならない。(○か×か)
答え: × 提出先は処分をした乙県知事ではなく、交付を受けた甲県知事です。禁止期間の満了後、返還請求があれば直ちに返還されます。
Q10. 宅建業者は、事務所の専任の宅建士の数が法定数を下回ったときは、30 日以内に必要な措置をとらなければならない。(○か×か)
答え: × 補充等の必要な措置の期限は 2 週間以内です。30 日以内は変更の届出などの期限で、数字のすり替えに注意してください。
Q11. 契約の申込みを受ける案内所に業務従事者が 6 人いる場合、宅建業者は成年者である専任の宅建士を 2 人以上置かなければならない。(○か×か)
答え: × 案内所等は従事者の数にかかわらず 1 人以上で足ります。「5 人に 1 人以上」の割合が適用されるのは事務所だけです。
Q12. 宅建士が勤務先の宅建業者を変更したときは、変更の登録の申請とあわせて宅建士証の書換え交付を申請しなければならない。(○か×か)
答え: × 勤務先業者は登録簿の登載事項なので変更の登録は必要ですが、宅建士証には勤務先が記載されていないため書換え交付は不要です。書換え交付が必要なのは氏名・住所が変わったときです。
まとめ
この章は「業者と宅建士でどう違うか」を問う横断問題の供給源です。まず対比表で違いを固めましょう。
| 論点 | 宅建業者 | 宅建士 |
|---|---|---|
| 資格の有効期間 | 免許 5 年 | 登録は一生・宅建士証 5 年 |
| 変更があったとき | 変更の届出(30 日以内) | 変更の登録(遅滞なく) |
| 死亡のとき | 相続人が知った日から 30 日以内に届出 | 同じ(相続人が知った日から 30 日以内) |
| 破産のときの届出義務者 | 破産管財人 | 本人 |
| 名簿・登録簿の閲覧 | 業者名簿は公開 | 資格登録簿は非公開 |
| 行為能力のない未成年者 | 法定代理人が欠格でなければ免許可 | 登録不可(救済なし) |
次に、この章の数字を一気に確認します。
| 数字 | 内容 |
|---|---|
| 3 年以内 | 不正受験に対する受験禁止の上限 |
| 2 年以上 | 登録に必要な実務経験(登録実務講習で代替可) |
| 6 月以内 | 法定講習は交付申請前 6 月以内に受講 |
| 1 年以内 | 試験合格後 1 年以内の交付申請なら法定講習免除 |
| 5 年 | 宅建士証の有効期間(登録は一生有効) |
| 遅滞なく | 変更の登録(30 日と書かれたら誤り) |
| 30 日以内 | 死亡等の届出(死亡は相続人が知った日から) |
| 5 人に 1 人以上 | 事務所の専任の宅建士(端数切上げ) |
| 1 人以上 | 案内所等の専任の宅建士(人数不問) |
| 2 週間以内 | 専任の宅建士に不足が生じたときの補充措置 |
| 10 万円以下の過料 | 重説時の提示・提出・返納を怠ったとき |
次章では、取引の相手方を金銭面で守る 2 大制度 — 営業保証金と保証協会 — を、数字の完全対比で攻略します。