応用情報技術者試験 合格教科書|2026年度(令和8年度)対応
第 15 章|科目 A 例年 4〜5 問(直近 10 年 19 回で 77 問、1 回平均 4.1 問)/科目 B 選択問題(プロジェクトマネジメント) 科目 B: プロジェクトマネジメント

プロジェクトマネジメント

WBS・クリティカルパス・EVM・見積り技法を図と計算で固める。科目 A 5 問と科目 B 選択問題の両方に効く

この章で学ぶこと

科目 A では直近 10 年(19 回)で 77 問、1 回平均 4.1 問が出ています。19 回中 14 回が 4 問で、問 51〜54 が定位置です。内訳は時間 22 問・コスト 14 問・リスク 11 問で全体の約 6 割を占め、しかも 77 問のうち 34 問が計算型と読解型です。本章はこの 3 分野の計算の型に紙面を割きます。科目 B のプロジェクトマネジメント問を選ぶ人は、本章の用語と計算がそのまま問題文を読む前提になります。

1. プロジェクトとは何か ― 枠組みと体制

プロジェクトとは、目標を達成するために遂行する、開始日と終了日とをもち、調整し、かつ、管理する活動で構成する、独自性のあるプロセスの集合です(JIS Q 21500)。要点は 2 つ、有期性(始まりと終わりがある)と独自性(同じものの繰り返しではない)です。終わりがなく同じ手順を反復する定常業務(オペレーション)とは、この 2 点で区別します。

プロジェクトマネジメントは、方法・ツール・技法・コンピテンシーをあるプロジェクトに適用することで、複数のプロセスを通じて遂行します。プロジェクトが使うプロセスには 3 種類あります。プロジェクトを進める仕組みそのものであるプロジェクトマネジメントのプロセス、成果物を作り出す引渡しのプロセス、調達や文書管理などを担う支援のプロセスです。

5 つのプロセス群

プロセス群は「いつ何をするか」の時間軸の区分です。立ち上げ・計画・実行・管理・終結の 5 つで、管理は実行と並走して回り続ける点が最大の特徴です(厳密には実行に限らず、他の全プロセス群と相互作用します)。計画どおりに進んでいるかを測り、ずれていれば是正処置を打ち、必要なら計画自体を変更します。

立ち上げ プロジェクト憲章 計画 全体計画・WBS 実行 作業の指揮 計画・実行と往復する 管理 差異の監視と是正処置 終結 教訓の収集
図 15-1 5 つのプロセス群。立ち上げ・計画・実行・終結が時間軸に並ぶのに対し、管理だけは横に並ばず、計画と実行の間を往復し続けます。「管理は最後の工程」と書かれた選択肢は誤りです。

10 の対象群

対象群(PMBOK 第 6 版までの「知識エリア」に相当)は「何を管理するか」の主題の区分です。プロセス群が時間軸、対象群が主題軸で、両者は掛け合わせの関係にあります。

対象群目的主なアウトプット
統合各活動を特定・結合・調整し、終結させるプロジェクト憲章、プロジェクト全体計画、変更登録簿、得た教訓文書
ステークホルダスポンサー・顧客などを特定しマネジメントするステークホルダ登録簿
スコープ必要な作業と成果物だけを特定し定義するスコープ規定書、WBS、WBS 辞書、活動リスト
資源人員・施設・機器・材料などを特定し確保する資源要求事項、プロジェクトの組織図、役割規定書、資源計画
時間スケジュールを立て、進捗を監視して管理する活動順序、活動所要期間見積り、スケジュール
コスト予算を作成し、コストを監視して管理する予算、実コスト、予想コスト
リスク脅威と好機を特定しマネジメントするリスク登録簿、優先順位付けされたリスク
品質品質の保証と管理を計画し確定する品質計画、品質管理測定値、検査報告書、是正処置
調達製品・サービスを入手し、供給者との関係を管理する調達計画、契約書又は注文書、選定された供給者リスト
コミュニケーション情報の計画・マネジメント・配布を行う進捗報告書、配布情報

米国 PMI がまとめた PMBOK(Project Management Body of Knowledge)ガイドは、第 6 版までが 5 プロセス群 × 10 知識エリアの構成でしたが、第 7 版で 12 の原理原則と 8 つのパフォーマンス領域へ再編されました。8 つのパフォーマンス領域は、ステークホルダ・チーム・開発アプローチとライフサイクル・計画・プロジェクト作業・デリバリー・測定・不確かさです。原理原則にはスチュワードシップ(勤勉で信頼される管理者であること)、価値への注力、テーラリング、品質の作り込みなどが含まれます。手順の規定から原則の提示へ重心が移ったことが、第 7 版のいちばんの変化です。

体制と PMO

役割責任試験での区別
プロジェクトスポンサープロジェクトを認可し、資金と資源を確保し、上位の意思決定を行う認可する側。実務の指揮はしない
プロジェクトマネージャ計画を立て、日々の活動を指揮し、目標達成に責任を負う単一プロジェクトの遂行責任者
プロジェクトマネジメントチームPM を補佐し、マネジメント活動を分担する成果物そのものは作らない
プロジェクトチーム成果物を作る作業を実施する引渡しのプロセスの担い手
PMO複数プロジェクトを横断して、標準化・教育訓練・監視・方法論や資源の共有を担う個別プロジェクトの実行部隊ではない
ステアリングコミッティ重要事項の承認と方針決定を行う会議体合議体。常設の支援組織ではない
用語要点
プロジェクトライフサイクル開始から終結までのフェーズの並び。フェーズごとに成果物と承認点を置く
フェーズ・ゲートフェーズの区切りに設ける関門。継続・修正・中止をここで判断する
プロジェクトの制約スコープ・時間・コスト・品質・資源・リスクなど、互いに影響し合う条件
テーラリング標準のプロセスを、そのプロジェクトの規模・特性に合わせて取捨選択・調整すること
プログラムマネジメント相互に関連する複数プロジェクトを束ね、個別に管理しても得られない便益を得る
プロジェクトポートフォリオマネジメント戦略目標に沿ってプロジェクト群を選定・優先順位付けし、資源を配分する
プロジェクトガバナンス組織としてプロジェクトを指揮・統制する枠組み。権限と説明責任を定める
出題実績 この節からは直近 10 年(19 回)で 7 問出ています。内訳は JIS Q 21500 のプロセス群が 3 問、PMO が 2 問、定常業務とプロジェクトの区別・フェーズ ゲートが各 1 問です。プロセス群は「スコープの定義は計画のプロセス群」のように、個々のプロセスがどの群に属するかを問う形が中心です。

2. 統合とスコープ ― 憲章から WBS まで

統合の対象群は、ばらばらの活動を 1 つのプロジェクトとしてまとめる役目を持ちます。含まれるプロセスは、プロジェクト憲章の作成・プロジェクト全体計画の作成・プロジェクト作業の指揮・プロジェクト作業の管理・変更の管理・プロジェクトフェーズ又はプロジェクトの終結・得た教訓の収集の 7 つです。

プロジェクト憲章は、プロジェクトを正式に認可する文書です。スポンサーが発行し、プロジェクトマネージャを任命してその権限を与えます(発行者はスポンサーが代表例で、プロジェクト起案者が発行する場合もあります)。ここが試験の急所で、「何を作るか」を細かく決める文書ではありません。細部を書くのはスコープ記述書と全体計画の仕事です。憲章の主なインプットは、投資判断の根拠であるビジネスケース、発注側が作業範囲を示したプロジェクト作業規定書、そして契約です。

文書いつ作るか代表的な記載項目
プロジェクト憲章立ち上げ認可の事実、目的と成功基準、PM の任命と権限、概算の期間と予算、主要ステークホルダ
プロジェクトスコープ記述書(スコープ規定書)計画成果物、作業範囲、除外事項、受入基準、制約条件、前提条件
プロジェクト全体計画計画対象群ごとの計画とベースライン、実行・管理の方法
WBS 辞書計画ワークパッケージごとの作業内容、担当、期間、必要資源、受入基準
得た教訓文書実行〜終結うまくいった/いかなかった事実と、その原因・再発防止策

WBS と 100 パーセントルール

WBS(Work Breakdown Structure)は、プロジェクトの成果物と作業を階層的に要素分解した構造です。最下位の要素をワークパッケージと呼び、ここが見積り・担当割当て・進捗管理の単位になります。分解にあたっての原則が 100 パーセントルールで、ある階層の子要素をすべて足すと親要素の 100% になる、つまり漏れも重複も無いように分けます。

第 1 層 第 2 層 ワークパッケージ プロジェクト全体 1,000 人日 要件定義 200 人日 設計・開発 480 人日 移行・教育 320 人日 画面設計 160 人日 DB 設計 120 人日 実装 200 人日 100 パーセントルール ― 下位の合計が上位と一致し、漏れも重複も無い
図 15-2 WBS の要素分解。第 2 層の 200 + 480 + 320 は第 1 層の 1,000 に、ワークパッケージの 160 + 120 + 200 は親の 480 に一致します。合計が合わない分解は、作業の漏れか二重計上のどちらかです。

WBS には「作業」ではなく「成果物」を並べる考え方もありますが、応用情報で問われるのは階層構造と 100 パーセントルール、そしてワークパッケージが管理の最小単位であることの 3 点です。各ワークパッケージの詳細(作業内容・担当・期間・受入基準)は WBS 辞書に書き、WBS の図そのものは階層だけを示します。

スコープの管理と変更管理

計画時に決めたスコープが、正式な手続を経ないまま少しずつ膨らんでいく現象をスコープクリープと呼びます。「ついでにこの画面も」「この帳票も追加で」という積み重ねが典型です。防ぐ仕組みがベースラインと変更管理です。承認されたスコープ・スケジュール・コストをベースラインとして凍結し、以後の変更は変更要求を起票して CCB(Change Control Board:変更管理委員会)が承認したものだけを反映し、変更登録簿に記録します(承認権限は変更管理計画に基づき PM 等へ委譲される場合もあります)。承認された変更にはベースラインの更新が伴います。

成果物の版と構成品目を識別し、変更の履歴を追えるようにする活動が構成管理(コンフィギュレーションマネジメント)です。変更管理が「変えてよいかを決める」手続なのに対し、構成管理は「今どの版が正なのかを保つ」仕組みだと整理すると混同しません。

ここがひっかけ 「スコープの管理として適切な活動」を選ばせる問題では、外部システムとの連携部分を別プロジェクトとして切り出すのような、作業範囲そのものを増減させる選択肢が正解です。遅延回復のための要員追加(時間・資源)、レビュー指摘の是正追跡(品質)、実コストと予算の比較(コスト)はどれも別の対象群の活動で、誤答肢の定番です。
出題実績 スコープの対象群は直近 10 年(19 回)で 7 問、統合の対象群は 4 問です。スコープ管理の活動例は 3 回、プロジェクト憲章とスコープ記述書は各 2 回出ています。とくに「スコープ記述書に記述する項目=除外事項」「憲章=正式に認可する文書」は、そのままの形で繰り返し出ています。

3. ステークホルダと資源 ― 誰が何に責任を持つか

ステークホルダの対象群が含むプロセスは、ステークホルダの特定とステークホルダのマネジメントの 2 つだけです。特定した相手はステークホルダ登録簿にまとめ、ステークホルダ分析で関与度と影響力を評価します。分析の代表が権力/関心度グリッドで、2 軸 4 象限に分けて接し方を変えます。

権力(影響力)関心度とるべき対応
高高密接にマネジメントする(合意形成の中心に置く)
高低満足な状態を保つ(要点だけ定期的に報告する)
低高十分に情報を提供する(説明の機会を絶やさない)
低低監視する(最小限の労力にとどめる)

責任分担マトリックスと RACI

資源の対象群には、プロジェクトチームの編成・資源の見積り・プロジェクト組織の定義・プロジェクトチームの開発・資源の管理・プロジェクトチームのマネジメントの 6 プロセスが含まれます。誰が何に責任を持つかを表にしたものが RAM(Responsibility Assignment Matrix:責任分担マトリックス)で、行に作業、列に要員や部門を置きます。記号に RACI を使うものを RACI チャートと呼びます。

記号意味人数の原則
R(Responsible)実行責任者。実際に手を動かして作業する複数でよい
A(Accountable)説明責任者。成果に最終責任を負い、完了を承認する1 つの作業に 1 人だけ
C(Consulted)相談先。作業の前や途中で意見を求める(双方向)複数でよい
I(Informed)報告先。決定や結果を知らされる(一方向)複数でよい
覚え方 C と I の違いは矢印の向きです。C は「聞きに行く」ので双方向、I は「知らせるだけ」なので一方向。そして A は承認者なので 1 作業に 1 人、というのが RACI の 3 つの急所です。

チームの成長段階 ― タックマンモデル

チームは編成した瞬間に力を出せるわけではなく、決まった段階を踏んで成熟します。タックマンモデルはその過程を 5 段階で表したもので、シラバスにも成立期・動乱期・安定期・遂行期・解散期として載っています。

Forming 成立期 様子見・依存 Storming 動乱期 対立が表面化 Norming 安定期 規範ができる Performing 遂行期 自律して成果 Adjourning 解散期 引渡しと解散 メンバー交代で前段階へ戻る PM は動乱期を避けず、役割と規範の合意まで導く
図 15-3 タックマンモデル。動乱期は失敗の兆候ではなく、必ず通る段階です。ここで議論を打ち切ると規範が育たず、安定期に進めません。

動乱期に生じる対立をどう収めるかがコンフリクトマネジメントです。手法には優劣があり、根本原因を事実で解決する方法が最も望ましく、判断を先送りする方法が最も望ましくないとされます。

手法内容評価
対決・問題解決事実とデータに基づいて根本原因を取り除く最も望ましい
協調複数の視点を取り入れ、全員が納得する解を作る望ましい
妥協双方が譲り合い、一定の満足で折り合う暫定的
鎮静・適応相違点でなく一致点を強調して場を収める一時しのぎ
強制権限で一方の主張を押し通す禍根が残る
撤退・回避問題から離れ、判断を先送りする最も望ましくない
用語要点
OBS(組織ブレークダウンストラクチャ)組織単位を階層化した構造。WBS と突き合わせて責任範囲を割り付ける
RBS(資源ブレークダウンストラクチャ)資源を種類と分類で階層化した構造。リスクの RBS とは別物
コロケーションチームメンバーを物理的に同じ場所に集め、対話と意思決定を速くする施策
バーチャルチーム拠点が離れたメンバーで構成するチーム。コミュニケーション計画がより重要になる
役割規定書役割ごとの責任・権限・必要な力量を定義した文書
資源要求事項各アクティビティに必要な資源の種類と量。資源計画のインプット
出題実績 資源の対象群は直近 10 年(19 回)で 8 問と、時間・コスト・リスクに次ぐ多さです。ただし RACI チャート・タックマンモデル・コロケーション・チーム育成・要員数の見積り・要員配置の最小コスト・工数と期間の関係・増員に伴う人件費がそれぞれ 1 問ずつで、同じ論点の再出題がありません。用語を広く浅く押さえるのが得策です。なおステークホルダの対象群は 10 年で 0 問です。

4. 時間① スケジュールネットワーク ― 最早・最遅・フロート

時間の対象群は、活動の順序付け・活動期間の見積り・スケジュールの作成・スケジュールの管理の 4 プロセスからなります。この節の主役はスケジュールネットワーク分析で、作業の依存関係を図に起こし、全体を最短で終えるにはどの作業を落としてはいけないかを求めます。

ネットワークの描き方には 2 通りあります。矢印に作業、丸(結合点、ノード)に時点を割り当てるアローダイアグラム(ADM)と、四角に作業を置いて矢印で依存関係を表すPDM(Precedence Diagramming Method:プレシデンスダイアグラム法)です。応用情報の計算問題はアローダイアグラムが中心です。

最早結合時刻・最遅結合時刻・フロート

手順は前進計算と後退計算の 2 回だけです。左から足していって各結合点の最早結合時刻(そこに最も早く到達できる時点)を求め、次に右から引いていって最遅結合時刻(全体を遅らせずに済む最も遅い時点)を求めます。

結合点の下の数字 = 最早結合時刻 / 最遅結合時刻 1 2 3 4 5 6 0 / 0 5 / 5 3 / 7 11 / 11 5 / 12 15 / 15 A 5 日 B 3 日 C 6 日 D 4 日 E 2 日 F 4 日 G 3 日 太線 = クリティカルパス 1→2→4→6(15 日)。フロート 0 の連なり
図 15-4 結合点 4 の最早は「入ってくる 2 経路の最大」で 5+6=11(3+4=7 ではない)、結合点 3 の最遅は「出ていく 2 経路の最小」で 11−4=7(12−2=10 ではない)です。最早と最遅が一致する結合点を結んだ経路がクリティカルパスになります。

計算の型: 最早・最遅・フロート

最早結合時刻 = その結合点に入る各作業の「先行結合点の最早 + 所要日数」の最大(前進計算)

最遅結合時刻 = その結合点から出る各作業の「後続結合点の最遅 − 所要日数」の最小(後退計算)

トータルフロート = 後続結合点の最遅 − 先行結合点の最早 − 所要日数

フリーフロート = 後続結合点の最早 − 先行結合点の最早 − 所要日数

例題: 図 15-4 の作業 E(結合点 3 → 5、所要 2 日)の 2 つのフロートを求める。

  1. 結合点 3 の最早は 3、結合点 5 の最遅は 12、結合点 5 の最早は 5
  2. トータルフロート = 12 − 3 − 2 = 7 日
  3. フリーフロート = 5 − 3 − 2 = 0 日
  4. E は全体の完了を遅らせずに 7 日まで遅らせられるが、1 日でも遅らせると後続の作業 G の最早開始が遅れる

クリティカルパスはトータルフロートが 0 の作業の連なりで、図 15-4 では 1→2→4→6(A・C・F)の 15 日です。「クリティカルパス上の作業にも少しは余裕がある」という選択肢は、この定義に反するので誤りです。

アローダイアグラムでは、所要 0 日のダミー作業(破線の矢印)で「作業の前後関係だけ」を表します。実作業を伴わないので日数計算には効きませんが、向きが逆だと依存関係が変わるため、PDM をアローダイアグラムに描き直す問題ではダミーの向きが正誤の分かれ目になります。

PDM の 4 つの依存関係とリード・ラグ

PDM では作業と作業の間に 4 種類の依存関係を指定できます。名前は「先行作業のどちら側が、後続作業のどちら側を縛るか」の順で読みます。

FS 終了 → 開始 先行 A 後続 B SS 開始 → 開始 先行 A 後続 B FF 終了 → 終了 先行 A 後続 B SF 開始 → 終了 先行 A 後続 B ラグ = 依存関係に加える待ち時間。FS + 2 日 なら A 終了の 2 日後に B 開始 リード = 前倒しできる重なり。FS − 2 日 なら A 終了の 2 日前に B 開始
図 15-5 矢印は「A のこの端が、B のこの端を縛る」と読みます。SF(開始 → 終了)は実務でもまれで、旧システムの停止を新システムの稼働開始に紐づけるような場面に限られます。

計算の型: リード/ラグ付き PDM の最少所要日数

各作業の開始日 = 先行作業の該当端の日 + ラグ(リードなら − リード)。0 日目を起点に足していく。

例題: 作業 P(5 日)→ FS + 2 日 → 作業 Q(4 日)→ FS − 3 日 → 作業 R(6 日)。全体の最少所要日数は。

  1. P は 0 日目に開始し、5 日目に終了
  2. Q は FS + 2 なので P 終了の 2 日後、7 日目に開始し 11 日目に終了
  3. R は FS − 3 なので Q 終了の 3 日前、8 日目に開始し 14 日目に終了
  4. 答え: 14 日(ラグを無視すると 12 日、リードを足してしまうと 17 日という誤答になる)
用語要点
ガントチャート作業を横棒で時間軸に並べた図。進捗と期間は見やすいが依存関係は表せない
マイルストーン所要期間 0 の重要な到達点。フェーズの完了や承認のタイミングを示す
大日程計画表(マスタスケジュール)プロジェクト全体を月単位程度で示す最上位の計画
中日程計画表(工程別作業計画)工程ごとの作業を週〜旬単位で示す
小日程計画表(週間作業計画)担当者が日単位で動くための最下位の計画
What-If シナリオ分析「この作業が n 日遅れたら」を仮定してスケジュールへの影響を試算する
出題実績 時間の対象群は直近 10 年(19 回)で 22 問と最多です。アローダイアグラムの読取り・結合点時刻が 6 問、短縮が 4 問、クラッシングが 4 問、PDM が 2 問、作業配分モデルが 2 問。作業 E の総余裕を 30 日と答える問題(同一図の再出題)や、リード・ラグ付き PDM の最少所要日数 12 日を求める問題(再出題)など、同じ問題が数年おきに再登場します。

5. 時間② 期間短縮と進捗管理

スケジュールが目標に収まらないとき、短縮の手段は大きく 2 つです。クラッシングは資源を追加投入して作業そのものの日数を縮める方法で、要員の増員や外部要員の投入、残業や設備の追加が該当します。コストは増えますが作業の順序は変えません。ファストトラッキングは本来直列だった作業を並行して実施する方法で、追加コストは小さい代わりに、先行作業の成果が固まる前に後続を始めるため手戻りのリスクが上がります。

ここがひっかけ クラッシングの正解例は「クリティカルパス上の作業に外部から要員を投入する」です。クリティカルパス外の作業に要員を投入しても、その作業にはフロートがあるので全体は 1 日も縮みません。「遅れている作業に人を足す」だけの選択肢は、クリティカルパス上かどうかに触れていない時点で疑ってください。

作業を縮めても全体が縮まない理由

短縮の効果を問う計算問題は、短縮前と短縮後で 2 回クリティカルパスを求め、その差を取るだけで解けます。落とし穴は、短縮した結果それまで 2 番目だった経路がクリティカルパスに昇格し、短縮量がそこで打ち止めになることです。

短縮前 ― 経路① 15 日(クリティカルパス)、経路② 13 日 経路① P 4 日 Q 6 日 R 5 日 計 15 日 経路② S 7 日 T 6 日 計 13 日 短縮後 ― 作業 Q を 6 日 → 3 日 に短縮(3 日ぶん縮めた) 経路① P 4 日 Q 3 日 R 5 日 計 12 日 経路② S 7 日 T 6 日 計 13 日 作業を 3 日縮めても全体は 2 日しか縮まない。経路② が新しいクリティカルパス
図 15-6 全体工期は「最長の経路」で決まります。経路① を 12 日まで縮めても経路② の 13 日が残るため、15 日 → 13 日の 2 日短縮で止まります。さらに縮めたければ経路② にも手を入れる必要があります。
技法やること副作用
クラッシングクリティカルパス上の作業に資源を追加して日数を縮めるコスト増。要員追加は生産性が比例しない
ファストトラッキング直列だった作業を重ねて並行実施する手戻り・再作業のリスク増
資源平準化資源の制約(使える人数の上限など)を優先して割付けを調整するクリティカルパスが変わり、期間が延びることがある
資源円滑化フロートの範囲内だけで資源の山を崩すクリティカルパスと完了日は変えない
スコープの縮小成果物や機能を削るスコープ変更なので変更管理の承認が必要

CCPM のバッファと進捗管理

CCPM(Critical Chain Project Management)は、各作業の見積りに個別に埋め込まれた安全余裕を削り取り、まとめてバッファとして置き直す考え方です。バッファは 2 種類あり、クリティカルチェーン(資源制約も考慮した最長経路)の末尾に置くのがプロジェクトバッファ、クリティカルチェーン以外の経路がクリティカルチェーンに合流する直前に置くのが合流バッファです。個々の作業が多少遅れてもバッファが吸収するので、作業単位の余裕をむだに使い切る(パーキンソンの法則)現象を防げます。

計算の型: 作業配分モデルによる残り日数

全体期間 = 経過日数 ÷ 完了した工程の配分比率の合計 / 残り日数 = 全体期間 − 経過日数

例題: 工程の配分比率が 設計 25%、製造 50%、テスト 25% のプロジェクトで、設計工程が完了した時点で着手から 40 日が経過していた。この比率どおりに進むとして、残りは何日か。

  1. 完了した工程の比率を合計する: 設計だけなので 0.25
  2. 全体期間を逆算する: 40 ÷ 0.25 = 160 日
  3. 経過分を引く: 160 − 40 = 120 日
  4. 160 日と答えると「全体期間」で、経過分を引き忘れた誤答になる
用語要点
傾向分析過去の実績の推移から今後の進捗・コストを外挿して先行きを読む
差異分析計画(ベースライン)と実績の差を測り、原因と是正の必要性を判断する
トレンドチャート時間軸に計画と実績の累積を重ねて推移を見る図。EVM のグラフもこの一種
進捗報告差異と予測、必要な意思決定を定期的に報告する。プッシュ型が基本
コンティンジェンシー予備特定済みリスク(既知の未知)に備える予備。コストベースラインの内側で PM が使う(使用権限の範囲は組織のルールによります)
マネジメント予備想定外(未知の未知)に備える予備。ベースラインの外側でスポンサーの承認が要る(承認者は組織の手続きにより異なる場合があります)

6. コスト① 見積り技法と工数

コストの対象群は、コストの見積り・予算の作成・コストの管理の 3 プロセスです。見積りの精度はいつ見積もるかで決まります。情報が少ない立ち上げ期は粗い技法しか使えず、WBS が固まってから精度の高い技法に切り替えるのが順序です。

技法やり方使う場面と要点
類推見積り過去の類似プロジェクトの実績から規模・工数を類推する情報の少ない初期。「類似」かつ「複数」の事例を使うのが要点。精度は低い
パラメトリック見積り規模などの変数と実績の統計的関係(生産性係数)を式に当てはめる過去データが蓄積された領域。速いが係数の妥当性に依存する
ボトムアップ見積り(積上げ法)WBS のワークパッケージごとに見積り、合計するWBS が固まった後。精度は最も高いが手間がかかる
三点見積り楽観値・最頻値・悲観値の 3 点から期待値と分散を求める不確実性を数値で扱いたいとき。ボトムアップと併用する
予備設定分析見積りに含める予備の量と置き場所を決めるコンティンジェンシー予備とマネジメント予備の切り分け

計算の型: 三点見積り(PERT)

期待値 te = (a + 4m + b) ÷ 6 標準偏差 σ = (b − a) ÷ 6 分散 = σ2(a: 楽観値、m: 最頻値、b: 悲観値)

例題: ある作業の楽観値が 4 日、最頻値が 7 日、悲観値が 16 日のとき、期待値と標準偏差を求める。

  1. 3 点を確認する: a = 4、m = 7、b = 16
  2. 期待値 = (4 + 4×7 + 16) ÷ 6 = 48 ÷ 6 = 8 日
  3. 標準偏差 = (16 − 4) ÷ 6 = 2 日、分散 = 4
  4. 単純平均 (4 + 7 + 16) ÷ 3 = 9 日 とは一致しない。最頻値に 4 倍の重みが付くのがこの式の特徴

規模から工数を出す ― FP 法と LOC 法

ファンクションポイント法(FP 法)は、利用者から見た機能の数と複雑さでソフトウェアの規模を測る技法です。プログラム言語や実装方式に依存しないので、開発前でも見積れる点が長所です。数える対象は 5 種類、外部入力(EI)・外部出力(EO)・外部照会(EQ)・内部論理ファイル(ILF)・外部インタフェースファイル(EIF)です。

計算の型: ファンクションポイント法

未調整 FP = Σ(機能の件数 × 複雑度に応じた重み) FP = 未調整 FP × 調整係数 工数 = FP × 1 FP あたりの工数

例題: 外部入力 10 件(重み 4)、外部出力 5 件(重み 5)、外部照会 5 件(重み 4)、内部論理ファイル 3 件(重み 10)、外部インタフェースファイル 5 件(重み 7)。調整係数は 1.10、1 FP あたり 0.4 人日とする。工数は何人日か。

  1. 機能ごとに件数 × 重みを出す: 40、25、20、30、35
  2. 合計して未調整 FP を得る: 40 + 25 + 20 + 30 + 35 = 150
  3. 調整係数を掛ける: 150 × 1.10 = 165 FP
  4. 生産性を掛ける: 165 × 0.4 = 66 人日
用語要点
LOC 法ソースコードの行数で規模を測る。実装後は正確だが、言語や書き方で値が変わり比較しにくい
COCOMO規模(KLOC)と補正係数から工数を求める構成的コストモデル。過去データによる係数の較正が前提
COCOMO II再利用・開発ツール・チームの成熟度など、近年の開発実態に合う要因を加えた改訂版
開発生産性規模 ÷ 工数(FP/人月、KLOC/人月など)。パラメトリック見積りの係数になる
TCOTotal Cost of Ownership。導入費だけでなく運用・保守・廃棄までの総保有コストで比較する
コストベースライン承認された時間軸つきの予算。EVM の PV はこれを時間で切ったもの

工数と期間は反比例しない ― 要員追加の落とし穴

工数(人月)は「要員数 × 期間」で表せますが、工数を固定したまま要員を倍にしても期間は半分になりません。理由は 2 つあります。1 つは追加要員の立ち上がりで、教育と引継ぎのために既存要員の時間が奪われます。もう 1 つが連絡調整の増加で、全員が互いに直接やり取りする場合、コミュニケーション経路は人数の 2 乗に近い速さで増えます。

要員 3 人 要員 6 人 1 2 3 1 2 3 4 5 6 経路 3 本 経路 15 本 コミュニケーション経路数 = n(n − 1) ÷ 2  3 人なら 3 本、6 人なら 15 本
図 15-7 人数を 2 倍にすると経路は 5 倍になります。追加要員の教育に既存要員の時間が取られることも重なり、遅れているプロジェクトへの要員追加はかえって完了を遅らせます(ブルックスの法則)。

この経路数の式 n(n − 1) ÷ 2 は、コミュニケーションの対象群でもそのまま問われます。人数を n から m に増やしたときの増加分は m(m − 1) ÷ 2 − n(n − 1) ÷ 2 で求めます。

出題実績 コストの対象群は直近 10 年(19 回)で 14 問ですが、そのうち 8 問は次節の EVM です。COCOMO・FP 法・パラメトリック見積り・開発生産性・TCO は各 1 問で、いずれも平成 30 年秋以前に固まっており、令和元年以降は出ていません。定義と例題を 1 回通す程度で足ります。

7. コスト② EVM ― 進捗とコストを同じ単位で測る

EVM(Earned Value Management)は、スケジュールとコストを同じ金額の単位に換算して測る手法です。「予定どおりの日数を使ったか」と「予定どおりの金額で済んだか」を別々に見ると全体像がつかめないので、出来高(アーンドバリュー)という共通のものさしを持ち込みます。押さえる値は 4 つだけです。

値正式名意味
BACBudget At Completion完成時総予算。コストベースラインの合計
PVPlanned Valueその時点までに完了予定だった作業の予算額
EVEarned Valueその時点までに実際に完了した作業の予算額(出来高)
ACActual Costその時点までに実際に使ったコスト

EV は「実績」ですが金額の基準は予算です。ここが混乱しやすい点で、EV と AC の差(CV)は「同じ作業に予算より多く払ったか」を、EV と PV の差(SV)は「予定した量の作業が終わったか」を表します。

BAC = 1,200 万円(完成時総予算) PV EV AC 現在 0 2 4 6 8 10 (月) 4 か月目の実績(万円) PV 480 / EV 360 / AC 600 SV = −120(遅れ) CV = −240(超過) SPI 0.75 CPI 0.6 EAC = BAC ÷ CPI = 2,000
図 15-8 AC が PV より上、EV が PV より下にある形は「金は予定より多く使ったのに、終わった作業は予定より少ない」という最悪の並びです。3 本の上下関係だけで状況判断ができます。
指標式基準との比較意味
SV(スケジュール差異)EV − PV0 より小さいスケジュール遅れ
CV(コスト差異)EV − AC0 より小さいコスト超過
SPI(スケジュール効率指数)EV ÷ PV1 より小さいスケジュール遅れ
CPI(コスト効率指数)EV ÷ AC1 より小さいコスト超過
EAC(完成時総コスト見積り)BAC ÷ CPIBAC より大きい今の効率が続けば予算超過で完成
ETC(残作業コスト見積り)EAC − AC―これから追加で必要な見込コスト
VAC(完成時差異)BAC − EAC0 より小さい完成時に予算を超える額
TCPI(残作業効率指数)(BAC − EV) ÷ (BAC − AC)1 より大きい残予算で完成させるには今より効率を上げる必要がある

計算の型: EVM の 6 指標と EAC を一気に出す

例題: BAC = 1,200 万円、計画期間 10 か月のプロジェクトで、4 か月目終了時点の PV = 480 万円、EV = 360 万円、AC = 600 万円だった。各指標を求め、状況を判断する。

  1. 差異を引き算で出す: SV = 360 − 480 = −120 万円、CV = 360 − 600 = −240 万円。どちらも負なので遅れかつ超過
  2. 効率を割り算で出す: SPI = 360 ÷ 480 = 0.75、CPI = 360 ÷ 600 = 0.6。どちらも 1 未満
  3. 完成時を予測する: EAC = BAC ÷ CPI = 1,200 ÷ 0.6 = 2,000 万円
  4. 残りを出す: ETC = EAC − AC = 2,000 − 600 = 1,400 万円、VAC = 1,200 − 2,000 = −800 万円
  5. 残予算で収めるのに必要な効率: TCPI = (1,200 − 360) ÷ (1,200 − 600) = 840 ÷ 600 = 1.4。今の 0.6 を 1.4 に上げるのは非現実的なので、予算追加かスコープ縮小の判断が必要

SV や CV は金額なので「何日遅れているか」は直接には分かりません。遅れを時間の単位で表そうとするのがアーンドスケジュール(ES)理論で、EV と同じ出来高に達する予定だった時点を求め、現在時点との差を日数や月数で示します。

ここがひっかけ EVM の管理対象はコストとスケジュールの 2 つです。「品質とスコープを管理する手法」とする選択肢は誤りです。また EAC を BAC − EV や BAC + CV で求めさせる誤式の金額、SV の符号を逆に読ませて「進捗は前倒し」とする状況文が誤答肢の定番です。
出題実績 EVM はこの中分類の最多テーマで、直近 10 年(19 回)で 8 問(知識 3・計算 4・読解 1)出ています。EAC = BAC ÷ CPI で 150 万円を求める問題は 3 回、まったく同じ形で再出題されました。直近 3 年は令和 5 年秋・令和 6 年春・令和 7 年春と 3 回連続で、指標を読んで状況判断や対策を選ばせる読解型に寄っています。

8. リスクマネジメント ― 脅威と好機を数える

リスクの対象群は、リスクの特定・リスクの評価・リスクへの対応・リスクの管理の 4 プロセスからなります。ここで大事なのは、リスクが脅威(負のリスク)だけでなく好機(正のリスク)も含む点です。JIS Q 21500 も「脅威及び機会を特定し、マネジメントする」と書いています。

技法内容どのプロセスの技法か
ブレーンストーミング批判を控えて自由に発言し、リスクを幅広く洗い出すリスクの特定
デルファイ法専門家に匿名で質問し、集約結果を戻して回答を繰り返し、意見を収束させるリスクの特定
SWOT 分析強み・弱み・機会・脅威の 4 区分から、脅威と好機の両方を洗い出すリスクの特定
チェックリスト分析過去の教訓や標準の一覧に照らして漏れを探すリスクの特定
RBS(リスクブレークダウンストラクチャ)リスクを分類の階層構造で整理し、洗い出しの網羅性を確保するリスクの特定
発生確率と影響度のマトリクス2 軸で区分し、優先して対応するリスクを絞る定性的分析
感度分析個々の変数を振って、結果への影響が大きい変数を見つける定量的分析
モンテカルロ法乱数で試行を繰り返し、完了日やコストの確率分布を得る定量的分析
ここがひっかけ 定性的分析は「優先順位を付ける」、定量的分析は「目標全体への影響を数量的に分析する」です。この 2 つの説明文を入れ替えた選択肢が繰り返し出ます。またデルファイ法はリスクの特定の技法で、分析の技法ではありません。「専門家の意見を集めるのだから定性的分析だろう」と考えると引っかかります。

EMV とデシジョンツリー

EMV(Expected Monetary Value:期待金額価値)は、起こり得る結果の金額に発生確率を掛けて足したものです。選択肢が枝分かれする意思決定はデシジョンツリーに描き、枝ごとに EMV を出して比べます。

決定 案の選択 案 A 投資 40 億 案 B 投資 10 億 0.6 0.4 収益 110 億 収益 30 億 0.5 0.5 収益 70 億 収益 40 億 案 A: 0.6×110 + 0.4×30 = 78 投資 40 を引くと 純 38 億 案 B: 0.5×70 + 0.5×40 = 55 投資 10 を引くと 純 45 億 純 EMV は 案 B の 45 億が最大 ― 投資を引く前は 案 A(78 億)が大きく見える
図 15-9 四角が意思決定点、丸が確率分岐点です。枝の金額に確率を掛けて合計するところまでは易しく、投資額を引き忘れることが最大の失点要因です。

計算の型: EMV による案の比較

EMV = Σ(結果の金額 × その発生確率) 案の比較は「EMV − 投資額」の純額で行う

例題: 図 15-9 の 2 案のうち、期待金額価値が高いのはどちらか。

  1. 案 A の EMV: 0.6 × 110 + 0.4 × 30 = 66 + 12 = 78 億円
  2. 案 A の純額: 78 − 40 = 38 億円
  3. 案 B の EMV: 0.5 × 70 + 0.5 × 40 = 35 + 20 = 55 億円
  4. 案 B の純額: 55 − 10 = 45 億円。よって案 B を選ぶ
  5. 確率を掛けない値(110 や 70)、投資額を引かない値(78)が誤答肢になる

脅威と好機の対応戦略

対応戦略は脅威用と好機用が 4 つずつあり、受容だけが両方に共通します(試験対策上の整理で、現行 PMI 用語ではエスカレーションも加わります)。残りの 3 つは向きが反転した対になっているので、対で覚えるのが確実です。

脅威(負のリスク) 好機(正のリスク) 回避 原因を取り除き、発生確率をゼロにする 活用 確実に実現させ、好機を逃さない 転嫁(移転) 保険や契約で第三者へ移す 共有 第三者と組み、実現能力を借りる 軽減 発生確率か影響度を下げる 強化 発生確率か影響度を上げる 受容 対策を用意せず受け入れる 受容 対策せず、起きたら享受する 受容だけが脅威と好機の両方に使える。回避↔活用、転嫁↔共有、軽減↔強化 が対
図 15-10 左右の同じ行が対になります。脅威は確率・影響度を「下げる」、好機は「上げる」ので、軽減と強化は同じ操作の向きが逆なだけです。転嫁と共有はどちらも第三者を巻き込みますが、渡すのが損失か利益かで名前が変わります。
用語要点
コンティンジェンシー対応戦略・コンティンジェンシー計画あらかじめ定めた条件(トリガ)が成立したときにだけ実行する対応策。作成するプロセスは「リスクへの対応」
二次リスクある対応策を実施したことで新たに生じるリスク
残存リスク対応をとってもなお残るリスク。受容の対象になる
リスク登録簿特定したリスク、分析結果、対応策、責任者、状態を記録する一覧
JIS Q 31000リスクマネジメントの原則と指針を定めた規格。プロジェクトに限らず組織全体を対象とする
能動的受容・受動的受容能動的受容は予備を確保しておく受容、受動的受容は何もせず起きたら対処する受容
出題実績 リスクの対象群は直近 10 年(19 回)で 11 問です。リスク対応戦略が 4 問、EMV・定量的リスク分析・コンティンジェンシー計画が各 2 問、デルファイ法が 1 問。対応戦略は「脅威と好機の両方に採用される戦略=受容」「転嫁=第三者へ移す」「好機の強化=発生確率・影響度を増大させる」の 3 パターンが繰り返されています。

9. 品質・調達・コミュニケーション

この 3 つの対象群は、直近 10 年(19 回)で合計 4 問しか出ていません。厚く学ぶ必要はありませんが、用語の意味を取り違えると科目 B で失点するので、区別だけは確実にしておきます。

品質

品質の対象群のプロセスは、品質の計画・品質保証の遂行・品質管理の遂行の 3 つです。品質保証は「正しいやり方で作っているか」をプロセスの側から確かめる活動、品質管理は「できたものが基準を満たすか」を成果物の側から測る活動です。監査やプロセスの評価が前者、レビューやテストの結果測定が後者にあたります。

品質にかけるコストの総額を品質コスト(COQ:Cost of Quality)として見る考え方もあります。欠陥を作らないための予防コストと、欠陥を見つけるための評価(検査)コストが適合コスト、出荷前に見つかった欠陥の手直しにかかる内部失敗コストと、出荷後に発覚して顧客対応まで及ぶ外部失敗コストが不適合コストです。予防に前倒しで払うほど失敗コストが減るという関係を、費用便益分析で比べます。

テスト密度欠陥密度読み方
高い高い作り込みの品質が低い疑い。原因分析と再テストが必要
高い低い十分にテストして欠陥も少ない。品質は良好と判断できる
低い高いテスト量が足りないうえに欠陥が多い。最も危険な領域
低い低いテスト不足で欠陥を検出できていない疑い。良好とは判断できない

テスト密度はテスト項目数 ÷ 規模、欠陥密度は検出欠陥数 ÷ 規模で求めます。両方が低い領域を「品質が良い」と読ませるのがこの型のひっかけです。

調達

調達の対象群のプロセスは、調達の計画・供給者の選定・調達の運営管理の 3 つです。供給者の選定は、情報を集める RFI(Request For Information:情報提供依頼書)から始まり、要件を示して提案を求める RFP(Request For Proposal:提案依頼書)、提案評価、契約という順に進みます。調達する作業の範囲を明文化した文書が SOW(Statement Of Work:調達作業範囲記述書)です。

契約タイプ支払いの決め方買主から見た性質
定額契約成果物に対して固定額を支払うコスト超過のリスクは売主が負う。スコープが確定していることが前提
実費償還契約実費に手数料や報酬を加えて支払うコスト超過のリスクを買主が負う。スコープが不確かな段階に向く
タイムアンドマテリアル契約単価 × 実際の投入量で支払う両者の中間。要員の追加調達など小規模な役務に向く

計算の型: 加重総和法による提案評価

総合評価点 = Σ(評価項目の点数 × その項目の重み)。重みは項目の重要度で、合計を 10 や 100 にそろえるのが一般的。

例題: 機能適合度(重み 5)、価格(重み 3)、導入実績(重み 2)で 2 社を評価した。A 社は 4・3・5 点、B 社は 3・5・3 点。どちらを選ぶか。

  1. A 社: 5×4 + 3×3 + 2×5 = 20 + 9 + 10 = 39 点
  2. B 社: 5×3 + 3×5 + 2×3 = 15 + 15 + 6 = 36 点
  3. 答え: A 社(39 点)
  4. 単純合計だと A 社 12 点・B 社 11 点で差が縮み、重み付けの意味が消える。重みを掛け忘れた値が誤答肢になる

コミュニケーション

コミュニケーションの対象群のプロセスは、コミュニケーションの計画・情報の配布・コミュニケーションのマネジメントです。伝え方は 3 つに分類され、それぞれ向く用途が違います。

方式内容例と向く用途
プッシュ型送り手が特定の相手に届ける。届いたかどうかは別に確認が必要メール、報告書の配布。定期報告に向く
プル型受け手が必要なときに自分で取りに行くポータル、共有リポジトリ。大量の参照情報に向く
双方向(対話型)その場でやり取りする。認識のずれを即座に埋められる会議、電話、テレビ会議。合意形成に向く

コミュニケーションチャネル数が n(n − 1) ÷ 2 で増えることは第 6 節で扱いました。関係者が増えるほど、全員を双方向でつなぐ設計は成り立たなくなるので、報告経路を階層化するか、プル型の共有場所に寄せることになります。伝達スキルの用語としては、相手の話を要約して確認しながら聴く積極的傾聴、そして感情や態度を伝える場面では言語情報より声の調子や表情の影響が大きいとされるメラビアンの法則がシラバスに挙げられています。

出題実績 品質の対象群は直近 10 年(19 回)で 2 問(テスト密度と欠陥密度、保守性指標が各 1 問)、調達は 1 問(加重総和法)、コミュニケーションは 1 問(総当たり組合せの計算)だけです。品質のテスト密度・欠陥密度は令和 7 年春に初めて出た論点なので、表の 4 区分だけは押さえておきます。

ひっかけポイント

ここがひっかけ 1 作業の短縮日数と全体の短縮日数は一致しません。クリティカルパス上の作業を 3 日縮めても、2 番目に長かった経路が新しいクリティカルパスになれば、そこで短縮は止まります。「作業を n 日縮めた」と書かれていても、答えは短縮前後で 2 回クリティカルパスを求めた差です。作業単体の短縮日数をそのまま答えさせる肢が必ず並びます。
ここがひっかけ 2 EVM は符号と向きを取り違えると全問落とします。SV = EV − PV が負なら遅れ、CV = EV − AC が負なら超過、SPI と CPI は 1 を下回ると悪化です。とくに TCPI は 1 より大きいほど厳しい指標で、「残りの予算で完成させるには、今より効率を上げる必要がある」ことを意味します。TCPI が高いのを「効率が良い」と読ませる肢に注意してください。
ここがひっかけ 3 クラッシングは資源追加、ファストトラッキングは並行化です。どちらの選択肢も「期間を短縮する」と書いてあるので、手段の記述だけで見分けます。さらにクラッシングの正解肢はクリティカルパス上の作業に投入するもので、クリティカルパス外の作業への投入やスコープ縮小は誤りです。
ここがひっかけ 4 プロジェクト憲章は「認可する文書」、スコープ記述書は「除外事項を書く文書」です。両者を入れ替えた選択肢が定番で、さらに WBS 辞書(ワークパッケージごとの詳細)とプロジェクト全体計画(実行と管理の方法)を混ぜて 4 肢を作ってきます。「正式に認可」「除外事項」の 2 語を目印にしてください。
ここがひっかけ 5 リスクの用語は対で覚えていないと必ず入れ替えられます。脅威の回避・転嫁・軽減に対し、好機は活用・共有・強化、そして受容だけが両方に共通です。分析についても、優先順位を付けるのが定性的分析、目標全体への影響を数量化するのが定量的分析で、この 2 文の入替えが誤答肢の作り方です。デルファイ法は分析ではなくリスクの特定の技法です。

理解度チェック(科目 A 形式)

Q1. 完成時総予算(BAC)が 1,800 万円のプロジェクトで、ある時点の EV が 600 万円、AC が 750 万円であった。この効率が今後も続くとしたとき、完成時総コスト見積り(EAC)は何万円か。
  1. 1,440
  2. 1,800
  3. 1,950
  4. 2,250

正解: エ CPI = EV ÷ AC = 600 ÷ 750 = 0.8 なので、EAC = BAC ÷ CPI = 1,800 ÷ 0.8 = 2,250 万円です。ア は BAC に CPI を掛けた誤り、イ は効率の悪化を反映していない BAC そのまま、ウ は BAC に差額 150 万円を単純に足した誤式です。

Q2. あるプロジェクトのスケジュールネットワークには、始点と終点を共有する 3 つの経路があり、所要日数はそれぞれ 18 日、22 日、20 日である。作業 X は 20 日の経路だけに含まれている。作業 X のトータルフロートは何日か。
  1. 0
  2. 2
  3. 4
  4. 22

正解: イ 全体工期は最長の 22 日で、作業 X がある経路は 20 日なので、その経路には 22 − 20 = 2 日の余裕があります。ア はクリティカルパス上の作業と誤認した値、ウ は最短の経路 18 日との差、エ は全体工期そのものです。

Q3. 遅延しているプロジェクトで、クリティカルパス上の作業に外部から要員を追加投入して所要期間を短縮した。この期間短縮技法はどれか。
  1. クラッシング
  2. ファストトラッキング
  3. 資源平準化
  4. 資源円滑化

正解: ア 資源を追加投入して作業日数そのものを縮めるのがクラッシングです。イ は直列の作業を並行化する技法で資源追加は伴いません。ウ は資源の制約を優先して割付けを調整する技法(期間が延びることもある)、エ はフロートの範囲内で資源の山を崩す技法で、いずれも期間短縮を目的とはしません。

Q4. 始点と終点を共有する 2 つの経路がある。経路 P は 作業 a(4 日)→ 作業 b(9 日)→ 作業 c(3 日)、経路 Q は 作業 d(6 日)→ 作業 e(7 日)である。作業 b に要員を追加して 9 日から 4 日に短縮したとき、プロジェクト全体の所要日数は何日短くなるか。
  1. 0
  2. 2
  3. 3
  4. 5

正解: ウ 短縮前は経路 P が 16 日、経路 Q が 13 日で全体は 16 日です。短縮後は経路 P が 11 日になりますが経路 Q の 13 日が残るため全体は 13 日で、16 − 13 = 3 日の短縮です。エ は作業 b 単体の短縮日数 5 日で、パスの切替えを見落とした誤答です。ア と イ は短縮量を過小に見た値です。

Q5. 脅威(負のリスク)と好機(正のリスク)のどちらに対しても採用され得るリスク対応戦略はどれか。
  1. 回避
  2. 転嫁
  3. 共有
  4. 受容

正解: エ 受容は「特別な対策をとらず、起きたら受け入れる」戦略なので、脅威にも好機にも適用できます。ア は脅威の戦略で、好機側の対は活用です。イ は脅威の戦略で対は共有、ウ は好機の戦略で対は転嫁であり、いずれも片側だけの戦略です。

Q6. プロジェクトのスコープの管理として行う活動はどれか。
  1. 遅延の回復を狙って、クリティカルパス上の作業に要員を追加投入する
  2. 外部システムとの連携部分を、別のプロジェクトとして切り出す
  3. レビューで指摘された欠陥の是正状況を一覧で追跡する
  4. 設計工程の実コストを予算と比較し、差異の原因を分析する

正解: イ 作業と成果物の範囲そのものを増減させる活動がスコープの管理です。ア は時間と資源、ウ は品質、エ はコストの対象群の活動で、いずれも作業範囲は変えていません。

Q7. JIS Q 21500 において、計画のプロセス群に属するプロセスはどれか。
  1. プロジェクト憲章の作成
  2. 変更の管理
  3. スコープの定義
  4. 得た教訓の収集

正解: ウ スコープの定義は、何を作り何を作らないかを決める計画の活動です。ア は立ち上げのプロセス群、イ は管理のプロセス群、エ は終結のプロセス群に属します。プロセス群の判定は「認可・計画・遂行・監視・引渡し」のどの段階の行為かで見分けます。

Q8. あるリスクは、対策をとらない場合、確率 0.3 で 5,000 万円の損失を生じる。800 万円かけて対策を実施すると、この損失の発生確率は 0.1 に下がる。対策の実施によって改善される期待金額価値は何万円か。
  1. 200
  2. 500
  3. 1,000
  4. 1,300

正解: ア 対策なしの期待損失は 0.3 × 5,000 = 1,500 万円、対策ありは 800 + 0.1 × 5,000 = 1,300 万円なので、改善額は 1,500 − 1,300 = 200 万円です。イ は対策後の期待損失だけの値、ウ は確率差 0.2 に 5,000 を掛けて対策費を引き忘れた値、エ は対策を実施したときの総額です。

Q9. プロジェクト憲章の説明として、適切なものはどれか。
  1. 成果物と作業の範囲、及びプロジェクトからの除外事項を定義した文書
  2. 作業を要素分解し、階層構造で表した図
  3. ワークパッケージごとの作業内容、担当、必要資源、受入基準を記した文書
  4. プロジェクトを正式に認可し、プロジェクトマネージャに権限を与える文書

正解: エ 憲章はスポンサーが発行してプロジェクトの存在を公式に認め、PM を任命する文書です。ア はプロジェクトスコープ記述書、イ は WBS、ウ は WBS 辞書の説明で、いずれも計画のプロセス群で作られます。

Q10. プロジェクトスコープ記述書に記述する項目はどれか。
  1. プロジェクトからの除外事項
  2. プロジェクトを認可した理由とスポンサーの氏名
  3. ワークパッケージごとの担当者と必要資源
  4. 特定したリスクの発生確率と影響度の評価結果

正解: ア スコープ記述書は「やること」だけでなく「やらないこと」を明記して、後の認識違いとスコープクリープを防ぎます。イ はプロジェクト憲章、ウ は WBS 辞書、エ はリスク登録簿の内容です。

Q11. プロジェクトのコンティンジェンシー計画で決定する内容はどれか。
  1. 特定した全てのリスクに対して、期間を通じて常時実施する予防策
  2. あらかじめ定めた条件が成立したときにだけ実行する対応策
  3. リスクを発生確率と影響度で分類し、対応の優先順位を付ける基準
  4. 想定外の事象に備えて、ベースラインの外側に確保しておく予備費の額

正解: イ コンティンジェンシー計画は、トリガとなる条件を先に決めておき、それが成立したときだけ発動する条件付きの対応策です。ア は常時実行する予防処置で条件付きではありません。ウ は定性的リスク分析、エ はマネジメント予備の説明です。

Q12. 工程別の工数配分比率が 設計 20%、製造 50%、テスト 30% と見込まれるプロジェクトで、設計工程が完了した時点で着手から 36 日が経過していた。この比率どおりに進むとすると、残りは何日か。
  1. 54
  2. 90
  3. 144
  4. 180

正解: ウ 全体期間は 36 ÷ 0.2 = 180 日なので、残りは 180 − 36 = 144 日です。ア はテスト工程分(180 × 0.3)だけ、イ は製造工程分(180 × 0.5)だけを残りと誤った値、エ は経過分を引き忘れた全体期間です。

Q13. ある作業の所要日数を三点見積り(PERT)で見積もる。楽観値が 4 日、最頻値が 7 日、悲観値が 16 日のとき、期待値は何日か。
  1. 7
  2. 8
  3. 9
  4. 10

正解: イ 期待値 = (4 + 4×7 + 16) ÷ 6 = 48 ÷ 6 = 8 日です。ア は最頻値そのまま、ウ は 3 値の単純平均 (4 + 7 + 16) ÷ 3、エ は楽観値と悲観値の中間 (4 + 16) ÷ 2 で、いずれも最頻値に 4 倍の重みを掛けていません。

Q14. メンバーが 5 人のチームに 3 人を追加する。全員が互いに直接連絡を取り合うとき、コミュニケーションの経路数はいくつ増えるか。
  1. 3
  2. 10
  3. 18
  4. 28

正解: ウ 経路数は n(n − 1) ÷ 2 なので、5 人では 10 本、8 人では 28 本になり、増加分は 28 − 10 = 18 本です。ア は追加した人数そのもの、イ は追加前の経路数、エ は追加後の経路数で、いずれも「増加分」を答えていません。

まとめ

この中分類は、時間 22 問・コスト 14 問・リスク 11 問で全体の約 6 割を占め、計算型と読解型が 77 問中 34 問あります。逆に言えば、クリティカルパスと EVM の 2 つの計算の型を手が覚えるまで反復すれば、例年 4 問のうち 2 問は計算で確保できます。残りは憲章・スコープ記述書・リスク対応戦略・クラッシングという、正解肢の文言がほぼ固定された知識問題です。

論点覚える結論誤答肢の作られ方
プロセス群立ち上げ・計画・実行・管理・終結。管理だけが実行と並走するプロセスの所属群を 1 つずらす
PMO横断的な標準化・教育訓練・監視・資源と方法論の共有スポンサー・PM・ステコミの説明を混ぜる
プロジェクト憲章プロジェクトを正式に認可し、PM に権限を与える文書スコープ記述書・全体計画の説明と入替え
スコープ記述書成果物・作業範囲・除外事項・受入基準・制約・前提憲章の記載項目、WBS 辞書の内容
WBS要素分解。最下位がワークパッケージ。100 パーセントルール下位の合計が上位と合わない分解を正とする
最早・最遅最早は入る経路の最大、最遅は出る経路の最小最大と最小、最早と最遅の取り違え
フロートトータル = 後続の最遅 − 先行の最早 − 所要。クリティカルパスは 0フリーフロートの値、CP に余裕があるとする記述
期間短縮クラッシング = 資源追加/ファストトラッキング = 並行化クリティカルパス外への投入、スコープ縮小
短縮の効果短縮前後で 2 回クリティカルパスを求めた差作業単体の短縮日数
三点見積り(a + 4m + b) ÷ 6、標準偏差 (b − a) ÷ 63 値の単純平均、最頻値そのまま
FP 法EI・EO・EQ・ILF・EIF の件数 × 重み → 調整係数 → 工数調整係数や生産性の掛け忘れ
要員追加経路数 n(n − 1) ÷ 2 が急増し、期間は反比例しない工数 ÷ 人数で期間が縮むとする
EVMSV = EV − PV、CV = EV − AC、SPI = EV ÷ PV、CPI = EV ÷ AC、EAC = BAC ÷ CPI符号の逆読み、BAC − EV などの誤式
TCPI(BAC − EV) ÷ (BAC − AC)。1 より大きいほど厳しい大きいほど良好とする記述
リスク分析定性的 = 優先順位付け/定量的 = 目標全体への影響の数量化2 つの説明文の入替え、デルファイ法を分析技法とする
対応戦略脅威は回避・転嫁・軽減、好機は活用・共有・強化、受容は共通対になる戦略名の入替え
EMVΣ(金額 × 確率)。案の比較は投資額を引いた純額で投資額を引き忘れた値、確率を掛けない値
予備費コンティンジェンシー予備 = ベースライン内/マネジメント予備 = 外2 つの内外を入替え

次の第 16 章では、作り終えたシステムを日々動かし続けるサービスマネジメントを学びます。本章の変更管理・ベースライン・リスク対応は、第 16 章のインシデント管理・変更管理・可用性管理にほぼ同じ構造で現れます。プロジェクトが「終わりのある活動」の統制、サービスマネジメントが「終わらない活動」の統制だと捉えると、両章の対比がそのまま記憶の助けになります。