先物取引では、一度買ったもの(売ったもの)は、いつか必ず手放す必要があります。その「出口」、つまり決済方法は主に2つしかありません。
- 反対売買
- 持っていた建玉を相殺するために行う取引のことです。
- 転売
- 買ったもの(買い建て)を手放すための決済方法です。
- 買戻し
- 売ったもの(売り建て)を元に戻して手放すための決済方法です。
- SQ(特別清算指数)
- 取引最終日を越えて残った建玉の自動的な決済価格として使われる特別な日経平均値のことです。
- 取引最終日
- その限月を売買できる最後の取引日。各限月の第 2 金曜日の前日に終了する取引日です。
- ロールオーバー
- 現在の限月の建玉を決済し、次の限月で改めて建て直す一連の実務のことです(通称)。
出口は 2 つ — 自分で決済するか、自動で決済されるか
先物建玉を決済する方法は、大きく分けて2つのパスがあります。一つ目は、自ら「反対売買」を行う方法です。取引最終日までに、買い建てたものは転売し、売り建てたものは買い戻すことで損益を確定します。
もう一つは、SQ による最終決済です。何もせずに取引最終日を越えた建玉は、翌営業日に算出される特別清算指数(SQ 値)を唯一の決済価格として、自動的に差金決済されます。
出典: 松井証券「先物取引の決済方法」
反対売買 — 転売と買戻し
自分で決済する場合は、最初に建てた方向と逆の注文を出します。買い建玉(買ったもの)に対しては「転売」、売り建玉(売ったもの)に対しては「買戻し」を行います。
この場合も実物の受け渡しはなく、「差金決済」となります。つまり、約定価格(建てた時の価格)と決済価格(手放した時の価格)の差額のみが現金として受渡されます。
損益計算の例(松井証券の解説の数値):
(49,900円 − 49,700円) × 1,000 × 1枚 = 200,000円
損益は「値幅 × 取引単位の倍率 × 枚数」で決まります。この例では 200 円の値幅 × 1,000 倍 × 1 枚で、20 万円の利益です。
出典: 松井証券「先物取引の決済方法」
SQ — 何もしないとどうなるか
日経225先物の「取引最終日」は、各限月の第2金曜日(休業日に当たる場合は順次繰り上げ)の前日です。この日を越えて決済されずに残った建玉は、自動的に清算されます。
その際の決済価格として使われるのが、「SQ値」(特別清算指数)です。これは取引最終日の翌営業日、つまり第2金曜日における各構成銘柄の始値に基づいて算出される「特別な日経平均」です。
初心者にとって最も重要なのは、「放置すれば自分の知らない値段(翌朝の始値ベースの SQ 値)で決済が確定する」という点です。決済のタイミングを自分で選びたいなら、取引最終日までに反対売買が必要です。
SQ 値の算出 — 「特別な日経平均」
通常の日経平均株価は、市場が動いている間ずっと継続的に計算されます。しかし、SQ値はそのような連続的なものではありません。
SQ値は、取引最終日の翌営業日に「一度だけ」、各構成銘柄の始値という特定のデータをもとに算出される特別仕様の日経225です。この一回きりの数値が、その限月のすべての未決済建玉の決済価格となります。
ロールオーバー — 長く持ち続けたいとき
特定の限月の建玉を決済せずに、さらに長い期間ポジションを持ち続けたくなることがあります。この一連の操作は一般的に「ロールオーバー」と呼ばれますが、ここでの説明は公式な定義ではなく、「期近の建玉を取引最終日までに反対売買で決済し、次の限月で改めて建て直す」という2つの検証済み事実の組み合わせとして理解してください。
断り: 「ロールオーバー」という用語自体の公式な定義は、この章の出典には含まれていません。ここでは「反対売買による決済」と「新規建て」という、それぞれ公式に確認できる 2 つの取引の組み合わせとして説明しています。
出典: 松井証券「先物取引の決済方法」
理解度チェック
買い建てた建玉を手放すとき、どの用語を使いますか?またその損益はどう決まりますか?
「転売」を行います。損益は約定価格と決済価格の差額のみが受渡される「差金決済」となります。
SQ値(特別清算指数)は、いつのどの価格に基づいて計算されますか?
取引最終日の翌営業日における各構成銘柄の始値に基づき算出される特別な日経225です。
反対売買を行わずに取引最終日を越えて建玉を放置した場合、どうなりますか?
SQ値(特別清算指数)を唯一の決済価格として、すべて差金決済されます。