日経225先物 はじめてガイド|2026-08 版
第 2 章

日経225先物という商品

ラージ・ミニ・マイクロ — 同じ日経平均を対象にした大きさ違いの 3 商品。仕様(倍率・呼値・限月・取引時間)を正確に押さえます。

日経225先物には、同じ「日経平均株価」を対象にしながら、1 枚の大きさが違う 3 つの商品があります。ラージ(日経225先物)・日経225mini・日経225マイクロ先物です。

この章では、この 3 商品の仕様 — 取引単位・呼値・限月・取引時間 — を JPX(日本取引所グループ)の公式ページに沿って正確に押さえます。自分の資金規模でどの商品なら扱えるのかが、この章を読み終えると判断できるようになります。

取引単位(1枚)
1 回に売買する最小単位。日経平均株価の何倍の金額を動かす契約か、を表します。
呼値(よびね)
注文できる値段の刻みのこと。刻みの途中の値段では注文できません。
限月(げんげつ)
その先物契約の満期となる年月。「9月限」「12月限」のように呼びます。
取引最終日
その限月を売買できる最後の取引日。各限月の第 2 金曜日の前日に終了する取引日です。
ナイト・セッション
夕方から翌朝にかけての立会時間。現物の株式市場が閉まっている間も取引できます。
祝日取引
祝日にも先物・オプション取引を行う制度。2022 年 9 月 23 日に始まりました。

原資産は「日経平均株価」

ラージ・mini・マイクロのいずれも、日経平均株価(日経225)を対象にした株価指数先物です。日経平均株価は日本を代表する 225 銘柄の株価から計算される「指数」であり、指数そのものを直接買ったり売ったりすることはできません。

そこで、この指数の将来の値段を売買の対象にする「先物」という商品が大阪取引所に上場されています。第 1 章で見たとおり、決済はすべて差金決済なので、「指数を受け取れない」ことは問題になりません。

225 銘柄の株価 トヨタ・ソニーなど日本の代表銘柄 日経平均株価 (日経225)= 指数 原資産 日経225先物(ラージ) 日経225mini 日経225マイクロ先物 指数そのものは買えないから、先物という商品で売買する 3 商品とも大阪取引所に上場。違いは「1 枚の大きさ」(次の図)
図 2-1 原資産と商品の関係。日経平均株価(日経225)を対象として、大きさの違う 3 つの先物商品が上場されています。

出典: JPX「日経225mini 商品概要」 / JPX「日経225先物 商品概要」

ラージ・ミニ・マイクロ — 大きさ違いの 3 商品

3 商品の違いの中心は「1 枚の大きさ」です。JPX の公式ページでは、取引単位は次のように定められています。

商品 取引単位(1枚) 日経平均 30,000 円のときの 1 枚の取引金額
日経225先物(ラージ) 日経平均株価の 1,000 倍 3,000 万円
日経225mini 日経平均株価の 100 倍 300 万円(ラージの 1/10)
日経225マイクロ先物 日経平均株価 × 10 円 30 万円(ラージの 1/100)

例: ラージ 1 枚 = 30,000 円 × 1,000 = 30,000,000 円

ラージ 1 枚は mini の 10 倍、マイクロの 100 倍の大きさです。同じ「日経平均が 100 円動く」出来事でも、動く金額は商品によって 100 倍違います。自分の資金規模に対して 1 枚がどれだけの重さなのかを、必ずこの表の感覚で把握してから先へ進んでください。

日経平均株価が 30,000 円のときの「1 枚」の取引金額 ラージ(×1,000) 3,000 万円 mini(×100) 300 万円(ラージの 1/10) マイクロ(×10) 30 万円(ラージの 1/100) バーの長さ=金額。同じ日経平均を対象に、資金規模に合わせてサイズを選べる
図 2-2 3 商品の大きさ比較。取引単位はラージが日経平均の 1,000 倍、mini が 100 倍、マイクロが 10 倍。1 枚あたりの金額が 10 倍ずつ変わります。

出典: JPX「日経225先物 商品概要」 / JPX「日経225mini 商品概要」 / JPX「日経225マイクロ先物 制度概要」

呼値の単位 — 値段は「刻み」でしか動かない

先物の注文で指定できる値段には決まった刻みがあり、これを「呼値の単位」と呼びます。ラージは 10 円刻み(30,000 円の次は 30,010 円)、mini とマイクロは 5 円刻みです。

「1 刻み動いたら 1 枚あたりいくら動くのか」は、呼値の単位に取引単位を掛ければ分かります。この金額が、その商品の損益の最小ステップです。

商品 呼値の単位 1 刻みの損益(1 枚あたり)
日経225先物(ラージ) 10 円 10 円 × 1,000 倍 = 10,000 円
日経225mini 5 円 5 円 × 100 倍 = 500 円
日経225マイクロ先物 5 円 5 円 × 10 倍 = 50 円
ポイント: 「ラージで 1 刻み = 1 万円」は、値動きの速い時間帯の損益スピードを体感するうえで重要な基準です。板を眺めるとき、この換算を頭の中で常に走らせてください。
値段は「刻み」でしか動かない 30,030円 30,020円 30,010円 30,000円 ← ラージは 10 円刻み (30,005 円では注文不可) 1 刻み動いたときの損益(1 枚あたり) ラージ 10円 × 1,000倍 10,000円 mini 5円 × 100倍 500円 マイクロ 5円 × 10倍 50円
図 2-3 呼値の単位と 1 刻みの損益。呼値(よびね)とは注文できる値段の刻みのこと。ラージは 10 円、mini・マイクロは 5 円刻みです。

出典: JPX「日経225先物 商品概要」 / JPX「日経225mini 商品概要」

限月 — 先物には「期限」がある

先物には満期があり、いつ満期を迎える契約なのかを「限月(げんげつ)」で表します。たとえば「9月限」は 9 月に満期を迎える商品です。同じ日経225先物でも、9月限と 12月限は別の商品として別の値段が付きます。

商品 上場している限月 取引期間
日経225先物(ラージ) 3・6・9・12 月のうち 19 限月 6・12月限は 8 年、3・9月限は 1 年 6 か月
日経225mini 四半期限月(6・12月限: 直近 10 限月 / 3・9月限: 直近 3 限月)+ その他の限月: 直近 3 限月 四半期限月は最長 5 年、その他の限月は最長 5 か月
日経225マイクロ先物 四半期限月: 直近 2 限月 + その他の限月: 直近 2 限月 短期の限月のみの構成

取引最終日と新限月の開始

各限月の取引最終日は「各限月の第 2 金曜日(休業日に当たる場合は、順次繰り上げる)の前日に終了する取引日」と定められています。取引最終日を過ぎた建玉がどうなるか(SQ による最終決済)は第 5 章で扱います。

ラージ先物では、取引最終日の翌営業日の日中立会から、新たな限月の取引が開始されます。

「9月限」「12月限」— 満期の月ごとに別の商品 9月限 12月限 翌3月限 翌6月限 … 期近(きぢか) 売買が最も活発 各限月の取引最終日 = その限月の第 2 金曜日の前日に終了する取引日 ラージは 19 限月が上場(6・12月限は 8 年先まで、3・9月限は 1 年 6 か月先まで)
図 2-4 限月(げんげつ)の考え方。同じ日経225先物でも「9月限」と「12月限」は満期が違う別の商品として値段が付きます。初心者が売買するのは通常、最も取引が活発な期近です。

出典: JPX「日経225先物 商品概要」 / JPX「日経225mini 制度概要」 / JPX「日経225マイクロ先物 制度概要」

取引時間 — 朝 8:45 から翌朝 6:00 まで

日経225先物の取引時間(立会時間)は、日中立会とナイト・セッションの 2 部制です。3 商品とも共通です。

セッション プレ・オープニング(注文受付のみ) ザラバ(通常取引) クロージング
日中立会 8:00 〜 8:45 8:45 〜 15:40 15:45
ナイト・セッション 16:45 〜 17:00 17:00 〜 翌 5:55 翌 6:00

立会の開始前にはプレ・オープニングという注文受付だけの時間帯があり、開始時刻(8:45 / 17:00)に板寄せで最初の値段が決まります。クロージングでは、ザラバ終了後に板寄せでその節の最終値段が決まります。

現物の株式市場(東京証券取引所)が閉まっている夜間も、先物はナイト・セッションで売買できます。海外市場の急変が翌朝の日本株に波及する前に、先物市場は夜のうちに反応している — 先物のニュースが朝のニュースより「早い」のはこのためです。

先物の 1 日 — ほぼ 24 時間近く取引できる 日中立会 8:45〜15:45 ナイト・セッション 17:00〜翌 6:00 8:45 15:45 17:00 翌 6:00 ザラバは 15:40 まで・15:45 クロージング ザラバは翌 5:55 まで・翌 6:00 クロージング 開始前にはプレ・オープニング(8:00〜 / 16:45〜)があり、注文の受付だけが行われる 現物の東京市場が閉まった後の海外市場の動きにも、ナイト・セッションで反応できる
図 2-5 立会時間。日中立会(8:45〜15:45)とナイト・セッション(17:00〜翌 6:00)の 2 部制です(JPX「立会時間」に基づく。時刻は 2026-08 時点)。

出典: JPX「日経225先物 制度概要」 / JPX「立会時間」

祝日にも取引できる

2022 年 9 月 23 日(金・秋分の日)から、祝日にも先物・オプション取引を行う「祝日取引」が始まりました。原則として、土曜日・日曜日および 1 月 1 日を除くすべての祝日(現休業日)が対象です。ただし 1 月 2 日と 12 月 31 日は当分の間、実施されません。

注意: 祝日は現物の株式市場が閉まっているため、先物だけが動く日になります。祝日中の海外市場の急変が先物価格に反映される一方で、決済や証拠金の授受は翌営業日扱いになるなど、通常の営業日とは勝手が違います。取引する前に証券会社の祝日取引の案内を確認してください。

出典: JPX「祝日取引」

理解度チェック

日経平均が 30,000 円のとき、日経225mini 1 枚の取引金額はいくらですか?

300 万円です。mini の取引単位は日経平均株価の 100 倍なので、30,000 円 × 100 = 3,000,000 円となります。

ラージ先物で呼値が 1 刻み(10 円)動くと、1 枚あたりの損益はいくら動きますか?

10,000 円です。呼値の単位 10 円 × 取引単位 1,000 倍 = 10,000 円。mini なら 500 円、マイクロなら 50 円です。

各限月の「取引最終日」はいつですか?

各限月の第 2 金曜日(休業日に当たる場合は順次繰り上げ)の前日に終了する取引日です。この日を過ぎて残った建玉は、SQ 値による最終決済に進みます(第 5 章)。

この章の主な出典

免責事項: 本ガイドは日経225先物取引の制度・仕組みを学ぶための学習資料であり、投資勧誘や投資助言を目的としたものではありません。売買の判断はご自身の責任で行ってください。先物取引は差し入れた証拠金を上回る損失が発生するおそれのある取引です。制度・数値は 2026-08 時点で参照した各公式ページに基づいており、変更されることがあります。取引前に必ず取引所・証券会社の最新の公式情報をご確認ください。