日経225先物には、同じ「日経平均株価」を対象にしながら、1 枚の大きさが違う 3 つの商品があります。ラージ(日経225先物)・日経225mini・日経225マイクロ先物です。
この章では、この 3 商品の仕様 — 取引単位・呼値・限月・取引時間 — を JPX(日本取引所グループ)の公式ページに沿って正確に押さえます。自分の資金規模でどの商品なら扱えるのかが、この章を読み終えると判断できるようになります。
- 取引単位(1枚)
- 1 回に売買する最小単位。日経平均株価の何倍の金額を動かす契約か、を表します。
- 呼値(よびね)
- 注文できる値段の刻みのこと。刻みの途中の値段では注文できません。
- 限月(げんげつ)
- その先物契約の満期となる年月。「9月限」「12月限」のように呼びます。
- 取引最終日
- その限月を売買できる最後の取引日。各限月の第 2 金曜日の前日に終了する取引日です。
- ナイト・セッション
- 夕方から翌朝にかけての立会時間。現物の株式市場が閉まっている間も取引できます。
- 祝日取引
- 祝日にも先物・オプション取引を行う制度。2022 年 9 月 23 日に始まりました。
原資産は「日経平均株価」
ラージ・mini・マイクロのいずれも、日経平均株価(日経225)を対象にした株価指数先物です。日経平均株価は日本を代表する 225 銘柄の株価から計算される「指数」であり、指数そのものを直接買ったり売ったりすることはできません。
そこで、この指数の将来の値段を売買の対象にする「先物」という商品が大阪取引所に上場されています。第 1 章で見たとおり、決済はすべて差金決済なので、「指数を受け取れない」ことは問題になりません。
出典: JPX「日経225mini 商品概要」 / JPX「日経225先物 商品概要」
ラージ・ミニ・マイクロ — 大きさ違いの 3 商品
3 商品の違いの中心は「1 枚の大きさ」です。JPX の公式ページでは、取引単位は次のように定められています。
| 商品 | 取引単位(1枚) | 日経平均 30,000 円のときの 1 枚の取引金額 |
|---|---|---|
| 日経225先物(ラージ) | 日経平均株価の 1,000 倍 | 3,000 万円 |
| 日経225mini | 日経平均株価の 100 倍 | 300 万円(ラージの 1/10) |
| 日経225マイクロ先物 | 日経平均株価 × 10 円 | 30 万円(ラージの 1/100) |
例: ラージ 1 枚 = 30,000 円 × 1,000 = 30,000,000 円
ラージ 1 枚は mini の 10 倍、マイクロの 100 倍の大きさです。同じ「日経平均が 100 円動く」出来事でも、動く金額は商品によって 100 倍違います。自分の資金規模に対して 1 枚がどれだけの重さなのかを、必ずこの表の感覚で把握してから先へ進んでください。
出典: JPX「日経225先物 商品概要」 / JPX「日経225mini 商品概要」 / JPX「日経225マイクロ先物 制度概要」
呼値の単位 — 値段は「刻み」でしか動かない
先物の注文で指定できる値段には決まった刻みがあり、これを「呼値の単位」と呼びます。ラージは 10 円刻み(30,000 円の次は 30,010 円)、mini とマイクロは 5 円刻みです。
「1 刻み動いたら 1 枚あたりいくら動くのか」は、呼値の単位に取引単位を掛ければ分かります。この金額が、その商品の損益の最小ステップです。
| 商品 | 呼値の単位 | 1 刻みの損益(1 枚あたり) |
|---|---|---|
| 日経225先物(ラージ) | 10 円 | 10 円 × 1,000 倍 = 10,000 円 |
| 日経225mini | 5 円 | 5 円 × 100 倍 = 500 円 |
| 日経225マイクロ先物 | 5 円 | 5 円 × 10 倍 = 50 円 |
出典: JPX「日経225先物 商品概要」 / JPX「日経225mini 商品概要」
限月 — 先物には「期限」がある
先物には満期があり、いつ満期を迎える契約なのかを「限月(げんげつ)」で表します。たとえば「9月限」は 9 月に満期を迎える商品です。同じ日経225先物でも、9月限と 12月限は別の商品として別の値段が付きます。
| 商品 | 上場している限月 | 取引期間 |
|---|---|---|
| 日経225先物(ラージ) | 3・6・9・12 月のうち 19 限月 | 6・12月限は 8 年、3・9月限は 1 年 6 か月 |
| 日経225mini | 四半期限月(6・12月限: 直近 10 限月 / 3・9月限: 直近 3 限月)+ その他の限月: 直近 3 限月 | 四半期限月は最長 5 年、その他の限月は最長 5 か月 |
| 日経225マイクロ先物 | 四半期限月: 直近 2 限月 + その他の限月: 直近 2 限月 | 短期の限月のみの構成 |
取引最終日と新限月の開始
各限月の取引最終日は「各限月の第 2 金曜日(休業日に当たる場合は、順次繰り上げる)の前日に終了する取引日」と定められています。取引最終日を過ぎた建玉がどうなるか(SQ による最終決済)は第 5 章で扱います。
ラージ先物では、取引最終日の翌営業日の日中立会から、新たな限月の取引が開始されます。
出典: JPX「日経225先物 商品概要」 / JPX「日経225mini 制度概要」 / JPX「日経225マイクロ先物 制度概要」
取引時間 — 朝 8:45 から翌朝 6:00 まで
日経225先物の取引時間(立会時間)は、日中立会とナイト・セッションの 2 部制です。3 商品とも共通です。
| セッション | プレ・オープニング(注文受付のみ) | ザラバ(通常取引) | クロージング |
|---|---|---|---|
| 日中立会 | 8:00 〜 8:45 | 8:45 〜 15:40 | 15:45 |
| ナイト・セッション | 16:45 〜 17:00 | 17:00 〜 翌 5:55 | 翌 6:00 |
立会の開始前にはプレ・オープニングという注文受付だけの時間帯があり、開始時刻(8:45 / 17:00)に板寄せで最初の値段が決まります。クロージングでは、ザラバ終了後に板寄せでその節の最終値段が決まります。
現物の株式市場(東京証券取引所)が閉まっている夜間も、先物はナイト・セッションで売買できます。海外市場の急変が翌朝の日本株に波及する前に、先物市場は夜のうちに反応している — 先物のニュースが朝のニュースより「早い」のはこのためです。
出典: JPX「日経225先物 制度概要」 / JPX「立会時間」
祝日にも取引できる
2022 年 9 月 23 日(金・秋分の日)から、祝日にも先物・オプション取引を行う「祝日取引」が始まりました。原則として、土曜日・日曜日および 1 月 1 日を除くすべての祝日(現休業日)が対象です。ただし 1 月 2 日と 12 月 31 日は当分の間、実施されません。
出典: JPX「祝日取引」
理解度チェック
日経平均が 30,000 円のとき、日経225mini 1 枚の取引金額はいくらですか?
300 万円です。mini の取引単位は日経平均株価の 100 倍なので、30,000 円 × 100 = 3,000,000 円となります。
ラージ先物で呼値が 1 刻み(10 円)動くと、1 枚あたりの損益はいくら動きますか?
10,000 円です。呼値の単位 10 円 × 取引単位 1,000 倍 = 10,000 円。mini なら 500 円、マイクロなら 50 円です。
各限月の「取引最終日」はいつですか?
各限月の第 2 金曜日(休業日に当たる場合は順次繰り上げ)の前日に終了する取引日です。この日を過ぎて残った建玉は、SQ 値による最終決済に進みます(第 5 章)。